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巨人の二番・坂本の好成績は、三番・丸の存在が大きいです/デーブ大久保コラム

9/20(金) 11:01配信

週刊ベースボールONLINE

 セ・リーグの山場はまだ先だ、と以前に話しました。今年の流れからすると、そう簡単には優勝は決まらないと思っていましたが、9月10日からのDeNA対巨人(横浜)の直接対決でマジックが点灯し、方向性が見えてきたと思います。

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 現在首位を走る巨人が一瞬、足踏みをしました。先々週の終わりくらいから二番打者の坂本(坂本勇人)のバットが少し湿ってきて、巨人は勝てなくなりました。これもやはり彼が巨人打線の中心だからです。

 3週前ですか、週ベで二番打者の特集を組んでいましたね。そのときに私は二番打者への考えを話していませんでしたので、今週は私なりの考えをお話ししたいと思います。今季、坂本が二番に入り、一時期DeNAの筒香(筒香嘉智)も二番に入るなど、小技が利くこれまでの日本での二番打者のイメージが少し変化してきています。

 メジャーでは「二番最強説」というようなことも言われています。個人的な意見でいうと、二番に入った打者がいわゆる「二番打者」的な仕事をするのは初回だけです。それも一番打者が塁に出たときのみだと思っています。そこから打線はイニングに沿って流れていって、その時々のプレーの流れの中で、監督がサインを出していく。年間では、三番打者よりも二番打者は約100打席も違いが出るのです。そこに安打を打てる、いわゆる巧打者が入るほうが、打線が線になりやすいのです。

 またまた2008年の西武の話ですが、私はこの二番のスターティングオーダーにずっと栗山(栗山巧)を記入していました。彼の場合は、長打も打てますし、小技もできます。それに、選球眼もいいので、一番を打つヤス(片岡治大)が塁に出たときに、走るまでじっくりボールを見ることができるんです。さらに、しっかりと一、二塁間に進塁打を打つこともできる打者。まさに私が理想とする二番打者だったのです。

 それと同時に一番を打つヤスには「二番打者は右と左どっちがいい?」と聞いていました。彼の場合は、自分の感覚で盗塁を仕掛けるので「どっちでも苦になりません」とのこと。そこで私の中での理想の二番として栗山を置きました。

 さて、今季の巨人の二番の場合は、その一番の関係よりも、三番との関係が大きいと思います。08年の西武の場合は、三番に当時パ・リーグNo.1の三番打者、ナカジ(現巨人・中島宏之)がいました。それと同じ関係だと思います。

 巨人の三番は不動の丸佳浩。坂本の好打を生かせるMVP選手が広島から入ったことが大きいです。三、四番の年間打席数よりも多くなる二番、三番で厚みのある攻撃を仕掛けられることが可能になりました。これだと相手投手は気を抜く場所がなくなるんです。「九番の投手の打順で絶対アウトにしないと」という心理になるはず。そういうものも坂本の今季の好調につながっている。つまり坂本の大活躍の裏に、三番・丸の存在あり、だと思っています。

『週刊ベースボール』2019年9月30日号(9月18日発売)より

PROFILE
大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

週刊ベースボール

最終更新:9/20(金) 11:27
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