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#64 “毛沢東のそっくりさん俳優”が「キャリアの死」を受け入れるとき

9/20(金) 19:00配信

クーリエ・ジャポン

中国共産党のお家芸のひとつで、国家的な名誉職でもある「そっくりさん俳優」。その世代交代が遅々として進まないことが問題となるなか、34歳の中堅俳優が新しい「毛沢東のそっくりさん」への道を歩みはじめたようだ……。

「4本連続の毛沢東役」に同情する市民たち

中国では10月1日の建国70周年記念式典と軍事パレードが間近に迫るなか、国営テレビの中国中央電視台(CCTV)で70周年を記念する大河ドラマ『偉大的転折(偉大なるターニングポイント)』が絶賛(?)放映中だ。
ドラマは、建国の父・毛沢東の若き日を描いた歴史劇。1930年代、国民党との戦いに破れた共産党が苦難の行軍を強いられるなか、南部の貴州省で開いた3日間の党幹部会議「遵義(ズンイー)会議」が物語のテーマだ。

当時、党内基盤が揺らいでいた毛沢東は、遵義会議によって再び軍事指導権を掌握することに成功した。毛が後に“絶対神”への道をひた走る契機にもなったターニングポイントなのだ。オープンセットだけで30億元(約450億円)を投じたドラマは、会議前後のエピソードを1話45分・全38話(!)で再現している。

ドラマで若き日の毛沢東を演じているのは、北京出身の34歳・侯京健(ホウ・ジンジエン)。ただこのキャスティングが発表されたとき、ネット上では歓声や拍手より、同情や悲嘆、憐れみの声がさざなみのように広がった。
「マジかよ、侯京健はいよいよハラをくくったんだな……」
「これってある種の犠牲的精神じゃね?」
「嫌なら断ればよかったのさ。いやさすがに無理か……」
「若いのに連続4本、毛沢東主席を演じるってすごすぎ。しかもこの時代に……」
ネットユーザーが指摘するとおり、侯京健はこの1年、『秋収起義』『毛沢東在尋鳥』『共産党人劉少奇』と今年の『偉大的転折』を合わせた4本のテレビドラマで立て続けに毛沢東を演じた。キャリア初の主演作となった毛沢東生誕120周年記念ドラマ『毛沢東』などを含め、これまで7作品で毛沢東役をつとめている。

さすがに日本の俳優も、「1年内に連続4作品で織田信長を主演」といったオファーには困惑するだろう。俳優はいろいろな役を演じ、演技の幅を広げたいもの。ヒットしたシリーズものならともかく、「色」がついて同じような役しか回ってこないのを最も恐れるのだ。

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最終更新:10/11(金) 9:27
クーリエ・ジャポン

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