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「バンコク日本博」はなぜ熱い?

9/20(金) 5:00配信

商業界オンライン

 2019年8月30日~9月1日の3日間。バンコクの中心部にある巨大商業施設サイアムパラゴン5階のロイヤルパラゴンホールが日本一色に染まった。日本への留学、日系企業への就職、日本への旅行、日本食や日本文化の体験。思い思いの目的で集まったタイ人とそれを出迎え、発信し対応する日本人とで「バンコク日本博2019」の会場は大いに賑わい、大いに湧いた。

 だが、このイベントは単なる「日本をテーマとした祭典」ではない。「クールジャパン」の訴求を目的にしたイベントでもない。目標はもっと深いところにある。タイ最大級の日本総合展示会「バンコク日本博」を支える熱い情熱とは!?

来場者は8万4000人、出展した団体数は198

「バンコク日本博」は日本への留学や就職を軸にしながら、日タイで活躍するアーティストによるライブパフォーマンスも交えて、日本の文化や観光、食、モノなどをトータルで発信する巨大イベントだ。2015年に始まり(1回~3回までは「ジャパンエキスポ」の名称で開催)、5回目を迎えた今回の来場者は前年よりも1万人以上増えて、延べ8万4000人を記録した。

 出展した団体数は198。内訳は留学関連が42、就職関連が44、大学が17(タイの大学の日本語学科)、トラベルが29、飲食が18、ショッピングが23、コンテンツが20、その他が5という構成だ。主催しているのは、タイ人への日本語教育事業を中心に日本への留学や日系企業への就職をサポートしているジェイエデュケーション。代表を務める長谷川卓生氏は1997年に渡タイし、1999年に同社を設立。日タイの架け橋になるべく尽力してきた。

 なぜ、留学や就職支援の会社が、幅広いジャンルを網羅する「バンコク日本博」の開催に至ったのだろう。長谷川氏は言う。

「2002年から『留学フェア』を年2回のペースで開催していましたが、着実に来場者は増えていたものの、限界を感じていました。来場者はもともと日本への留学や日系企業への就職を考えているタイ人たち。彼ら彼女たちだけをターゲットにしていては市場は広がりません。もっと幅広い層に『日本』に触れてもらう機会を創ることが重要だと考えました」

 来場者の裾野を広げるために長谷川氏が充実させたのが、食とトラベルのコンテンツだ。タイでは今、「日本を旅すること」「日本の食を味わうこと」の2つのコト消費が一斉を風靡している。トラベルに関しては、2013年からタイ人のビザ取得が免除されたことも追い風になり、訪日旅行者は年々著しく増加し、2018年の訪日タイ人数は前年比15%増の113万人に達している(タイは東南アジア諸国の中で初めて年間訪日客数100万人を達成した国となった)。

来場をきっかけに日本への留学、就職に目を向けてもらいたい 日本への旅行に関心があり、日本食を好むタイ人にまずは会場に足を運んでもらい、日本への留学や就職についても目を向けてもらいたい。この目的をさらに深掘りしようと、今回、長谷川氏は留学フェアに加えて、就職フェアの導入に踏み切った。日本企業への就職を現実的に見据えながら、日本に留学するタイ人を増やすことが目的だ。

「タイにはたくさんの日系企業が進出していますが、タイ人にはあまり日系企業の実態が見えていないというのが現実です。日本語がどんなにできるタイ人でも、日系企業に入ると週末のゴルフの手配をさせられるなど、都合よく使われてしまうというケースが多く、日系企業の人気には陰りが出ています。その一方で、タイ人を積極的に活用したいと考えている日系企業も増えている。日本国内でも、タイ人をはじめ、外国人人材への期待値は上がっています。こうした需要に応え、タイ人雇用を真剣に検討している日本の企業にしっかりと人材獲得のPRができる場を提供したいと考えました」

就職フェアには高校生や大学生の姿が目立った。来場者のブースや資料を見る目は真剣だ。 日系企業への就職を視野に入れるタイ人をいかに増やすか。就職フェアの継続的な課題だ。

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最終更新:9/20(金) 5:00
商業界オンライン

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