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「バンコク日本博」はなぜ熱い?

9/20(金) 5:00配信

商業界オンライン

「いきがい」「アイドル」も日本人が介在せずに普及した!

 長谷川氏はさらに、タイ人に影響を与えている日本発の2つの概念を挙げる。「いきがい」と「アイドル」だ。「いきがい」は、「IKIGAI」もしくは「how to be」「meaning of  life」と訳され、新築コンドミニアムの広告にも使われ始めるなど、徐々に普及を始めている。

 BNK48の人気に見るように、「アイドル」もこれまでタイには存在しなかったコンセプトだ。ただし、支持されているのは日本のアイドルそのものではない。タイ人による日本的なアイドルのスタイルだ。

「正直、タイ人の日本への憧れは少し色あせてきています。メイドインジャパン製品にはもうかつてのようなキラキラとした響きはない。昔は日本製品がタイ人の日々の生活の中にたくさん入り込んでいましたが、今はもうそういう時代ではありません。だからこそ、『バンコク日本博』はこうした日本的な概念が普及するきっかけとなる場でありたい。『おまかせ』も『いきがい』や『アイドル』も、きっかけとしては日本人が介在していますが、普及の段階においては日本人は介在していない。これは一番美しいローカライズの形だと思うんですよ。そんなローカライズが実現するような働き掛けをしていくのも『バンコク日本博』の役割です」

日本と接点のあるタイ人を育てていきたい! タイでは、「日本」をテーマとしたイベントが頻繁に開催されている。日本の食をテーマに掲げた小規模なイベントもあれば、アニメや漫画に的を絞った大規模イベントもある。

 だが、「バンコク日本博」にあって、そうした凡百のイベントにないのは、日本と接点のあるタイ人を育てていきたいという熱い思いだ。単にモノを売るだけではない。インバウンドにつなげるためだけでもない。日本のモノやコトの消費者であるだけでなく、明日、日本人と一緒に働くかもしれない人材としてタイ人を見詰め、サポートを重ねていく。この軸足をずらすことなく、「バンコク日本博」は毎年、進化を続けている。2020年には、タイ人を魅了する日本発のコンセプトが盛り込まれ、タイと日本をつなぐ新たな「美しいローカライズ」が育まれていくーー。そんな姿を期待したい。

三田村 蕗子

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最終更新:9/20(金) 5:00
商業界オンライン

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