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石木ダムの強制収用にパタゴニア日本支社が遺憾の意

9/20(金) 17:58配信

オルタナ

アウトドア企業のパタゴニア・インターナショナル・インク日本支社(神奈川県横浜市)の辻井隆行支社長はこのほど、 長崎県東彼杵郡川棚町に計画されている石木ダム建設計画に関連して、建設予定地に住む地権者の所有地が9月20日午前0時に強制的に収用されたことについてコメントを発表した。同社の辻井隆行支社長は、この計画について、「人口減少や節水型社会への移行、台風や集中豪雨などによる被害例の検証や治水の方法に関する最新の知見など、現在の社会情勢に鑑みた議論が尽くされたとは言えない」とコメントした。下記がコメントの全文。(オルタナS編集長=池田 真隆)

「ここ数年、国連が定めた 17の持続可能な開発目標、いわゆるSDGsが、日本でも、国や地方自治体 、上場企業を含む民間企業、小・中・高等学校や大学といった教育現場など、多種多様な場所で注目されています。現に、長崎県壱岐市も、内閣府(地方創世推進室)によりSDGs未来都市の一つに選定されていますが、その基本理念は 『誰一人として取り残さない』です。一方、石木ダム計画については、佐世保市の人口減少や節水型社会への移行、昨今の大型化した台風や集中豪雨等による全国の被害例の検証や治水の方法に関する最新の知見など、現在の社会情勢に鑑みた議論が尽くされたとは言えません。そうした中で、建設予定地に暮らす人々の所有地が強制的に収用されたことは残念でなりません。 13世帯の基本的人権を犠牲にしてまで進めるべき事業なのであれば、最新の社会状況を鑑みた慎重な議論が行われてしかるべきだと考えますが、石木ダムの必要性が最後に検証されたのは平成24年です。今こそ、国連が採択した SDGsの『誰一人として取り残さない』という理念を念頭に置き、より多くのステークホルダーの願いを叶える持続可能性の高い選択肢を真剣に議論するタイミングだと強く感じます」



建設計画の話は1970年代に持ち上がった。事業主は長崎県と佐世保市で、建設する理由として、「将来の佐世保市の水不足に対応するため」「川棚川の治水対策」と説明した。しかし、同市は全国の市町村の中で人口流出率が6位の地域で、90年代から水需要は低下している。さらに、河川改修によって、治水対策も進んでいる。

石木ダムを造るためには、関連設備費用も含めると540億円の費用がかかるとされている。ダム、導水管などの維持費は水道代として将来世代が負担し続けることになる。2017年に実施された長崎県民2,500人を対象にしたアンケート調査結果では、県民の約80%が「ダム建設の必要性について十分に説明を受けていない」と考えていることが分かった。

同社では2015年4月以来、外国特派員協会での記者会見を開き、小林武史氏やsalyuなどが参加した。石木ダム建設予定地に於ける音楽イベントや山田英治監督による13世帯の暮らしを描いた映画「ほたるの川のまもりびと」、いとうせいこう氏、坂本龍一氏、加藤登紀子氏等が賛同する「いしきをかえよう」というネットワークによる公開討論会を求める署名収集活動などに対する支援を行ってきた。

最終更新:9/20(金) 18:00
オルタナ

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