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「なぜラグビーW杯日本代表に五郎丸がいないのか?」に答える“2つの理由”

9/20(金) 11:00配信

文春オンライン

「なぜ、日本代表メンバーに、五郎丸が入っていないのか」

 第9回ラグビーW杯日本大会に近づくなか、友人や知人の疑問を何度か耳にした。そのたびに感じたのが、五郎丸歩の存在の大きさである。

【写真】五郎丸 ゴールライン間際での強烈なタックル

前回W杯で、またたく間に時の人に

 改めて振り返る必要はないかもしれないが、五郎丸の名が世間に知れわたるきっかけが、前回W杯だ。ラグビー日本代表は、初戦で世界屈指の強豪国である南アフリカから劇的な逆転勝ちを果たした。ルーティンの一環として、腕を胸の前で組む独特のポーズからキックを次々と決める五郎丸は、躍進の原動力となる。端正な風貌も注目を集めて、またたく間に時の人になった。

 それが、4年前のことである。

 五郎丸はいまもヤマハ発動機ジュビロの中心選手として国内のトップリーグで活躍を続けるが、なぜか前回W杯を最後に日本代表に招集されていない。

五郎丸のポジション・フルバックの役割の変化

 ポイントとなるのが、五郎丸のポジション、フルバックの役割の変化である。15番を背負うフルバックは、チームの最後尾に位置し、ディフェンスでは最後の砦となり、チャンスでは攻撃にも参加する。

 五郎丸がフルバックとしての能力を見せつけたのは、前回W杯のスコットランド戦である。

 後半に連続トライを奪われ、日本代表は大会で唯一の黒星を喫したが、前半終了時点で7対12。強豪と接戦を演出したのが、五郎丸のプレーだった。

 前半終了間際、スコットランドが猛攻を仕掛けた。ボールがサイドライン際に走り込んできた快足のトミー・シーモアにわたる。観戦する誰もがトライを確信した。しかし――。最短のコースで走りこんできた五郎丸が、ゴールライン間際で強烈なタックルを見舞って、トミー・シーモアを弾き飛ばしたのだ。

 まさに最後の砦と呼ぶにふさわしいプレーは、前回W杯のベストタックルのひとつに数えられた。

 だが、近年、世界的にラグビーの潮流が変わった。組織的なディフェンスが進化した結果、パスを回すだけで相手ディフェンスを破るのが難しくなり、キックを多用するようになったのだ。

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最終更新:10/14(月) 22:27
文春オンライン

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