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韓国・ゲイ…「嫌いになる自由」で美化された「暴力」が引き起こすもの

9/20(金) 6:01配信

現代ビジネス

 「ここまでが
僕でここから
君のもの」
飛行機雲が
世界を分かつ

 こんにちは。歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

【感動】日本人男性が反日デモ横で実施したフリーハグ動画

 「厄介な隣人にサヨウナラ 韓国なんて要らない!」
小学館『週刊ポスト』2019年9月13日号の見出しに、多くの人が驚き、そして唖然としました。小学館ともあろう大手出版社の週刊誌に、令和になってもまだこんな特集が掲載されてしまうのか、と。

 日韓の政治的対立が白熱の一途をたどっている今だからこそ、引き続き冷静に議論されるべきなのに、週刊誌が人種差別を堂々と掲げて反韓を煽るなんて、あまりに稚拙。

 一方で、こうした主張に少なからず賛同する人がいるからこそ、企画が成り立ってしまうのも事実です。

 SNSでは、韓国への嫌悪感に同調する発言が多数見受けられます。
「差別するつもりはないけど、確かに韓国人ってイヤな人いるよね」
「イヤなものをイヤって思うのは仕方なくない?」
「嫌いになる自由だってあると思う」

 僕は日本人ですが、同性愛者の一人として、こうした反韓の風潮を他人事で見過ごせませんでした。国籍、性別、身体障がい、セクシュアリティ……あらゆる差別が再び問題視されている今、「嫌いになる自由」は本当に許されるのか。
今回は、改めて「差別とは何か」から立ち返って考えてみましょう。

 今から、あなたの時間を10分ください。
全5ページ構成、途中まででは真意が伝わらない内容になっていますので、ぜひ最後までご覧になってください。

「差別するつもりはない」って「悪者になりたくない」のでは?

 「差別するつもりはないけど、ゲイってイヤだよね」
LGBTの権利が認められ始めた昨今、とてもよく目にする意見です。

 「差別するつもりはないけど」
「別に、いてもいいとは思うけど」
「その人たちの生活をどうこうしようとは思わないけど」

 そんなオブラートに包んでおきながらも、結局は「ゲイってイヤだよね」と嫌悪感を公言している。これ、とんでもない矛盾なんです。

 「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」というセリフが話題になった魔夜峰央さんの漫画『翔んで埼玉』は、埼玉県民への差別をあえて大幅にデフォルメしてギャグとして描いていますよね。

 「自分はさすがにそこまでひどいことしてないから」あるいは「歴史上の恐ろしい差別主義者と比較して、自分はまだ正常だから」という思いが「差別するつもりはないけど」という枕詞に表れているのだと思います。

 そもそもみなさん、「差別」の意味を正しく理解していますか? 
 辞書を引いてみると、「差別」とは【偏見や先入観などをもとに、特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること】(大辞林 第三版より)とあります。
本人にそのつもりはなくとも、「ゲイってイヤだよね」というように、特定の人々に対して不平等な【扱い】をしている時点で、それは差別なんです。
「殴ったり蹴ったり、草を食べさせていないから大丈夫」じゃないんです。週刊誌の記事はもちろん、政治家の失言、SNS上の発言だって、れっきとした差別なんです。これを誤解している人が、とても多い。

 「私は差別主義者です! 今から差別しまーす! ゲイってイヤだよねーっ!!」と大手を広げているなら、むしろ理解できる。その方がまだ、つじつまが合っているから。
「差別するつもりはないけど、ゲイってイヤだよね」と、完全に論理が崩壊していることに無自覚なのは、とても深刻な問題といえます。

 自分のしていることが差別だと認めたくない理由は他でもない、「自分が悪者になるから」ではないでしょうか。誰だって悪者になりたくありません。発言の自由は誰にでも与えられているはずなのに、なぜ自分たちだけ悪者にされなければいけないのか、と。

 これもまた、大きな誤解です。そもそも差別に関する議論は、「誰が悪者か」を決めるものではないからです。ゆえにこの記事では、善悪の概念はあえて排除して、話を進めます。

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最終更新:9/20(金) 6:10
現代ビジネス

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