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普通の会社員を老後貧乏に陥らせる「2大リスク」の避け方

9/20(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 老後資金について考える際に重要なのは、「運用で稼ごう」などと欲張るよりも、リスクを避けることである。その中で最も考える必要があるのは、長生きとインフレのリスクだ。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

● 老後の安心のために 「保険」をかけよう

 突然だが、火災保険に加入するのは、家が焼失して住むところがなくなると困るからである。つまり、「非常に困った事態を避ける」のが保険の目的だ。

 この場合、火災が起きなければ保険料は損になるが、誰も「火災が起きなくて保険料がもったいなかった」とは言わないだろう。それが保険というものだ。

 老後資金に関しても基本的な考え方は同じで、ひどい目に遭わないために「保険」をかける必要がある。これは何も保険会社と保険契約をする、という方法に限らない。

● 最も備えるべきリスクは 「長生き」と「インフレ」

 長生きは素晴らしいが、老後資金のことだけを考えるならば、長生きはリスクになる。現役時代に多額の老後資金を蓄えても、長生きしている間に少しずつ取り崩していけば、老後資金が底を突いてしまうかもしれない。

 もう1つの大きなリスクは、インフレである。多額の銀行預金があっても、インフレになれば預金が「目減り」してしまう。同じ金額の預金で買える物(財およびサービス)の量が減ってしまうからだ。

 最も困った事態は「長生きしている間にインフレになって老後資金が底を突く」ことであろう。今回が2回目となるシリーズ「初心者のための『老後資金』対策講座」の最大のテーマは、この長生きとインフレのリスクにいかに対処するか、である。

● 長生きのリスクへの備えは 「公的年金」と「労働」

 長生きのリスクに備えるのは、容易ではない。民間保険会社の終身年金という商品も選択肢ではあるが、顧客が負担している「保険会社のコストと利益」が比較的高いことを考えると、あまり乗り気がしないのもやむを得ない。

 最も良いのは、元気な間は働いて現役として収入を得て、「老後を短くする」ことである。筆者は以前から、サザエさんの登場人物である波平氏よりも元気な間は働く「波平基準」を推奨している。

 ちなみに、波平氏は54歳という設定だそうで、高度成長期の定年が55歳であったことからも納得だろう。そうであれば、波平氏より元気であれば、60歳が定年だからという理由で引退する必要など毛頭ないのだ。

 もう1つ大事にしたいのが、公的年金の存在だ。公的年金は、どれだけ長生きをしても毎月しっかり支払われる、しかもインフレが来れば原則としてその分だけ支給金額が増える、非常に心強い老後の支えなのである。

 サラリーマン(サラリーウーマンや公務員等を含む)は、公的年金の保険料が給料から天引きされるため基本的には問題ないが、自営業者などはしっかり保険料を支払って老後の年金を確保しよう。

● 運用は儲けるためではなく インフレリスクを軽減するために行う

 資産運用というと、「儲けて豊かな老後を過ごそう」と考えて始める読者が多いと思うが、筆者はリスクを軽減するためにこそ運用が必要だと考えている。

 預金は、インフレになれば目減りしてしまう“リスク資産”であるから、「分散投資」として株式や外貨などのインフレに強い資産を併せて持つことで、インフレによるリスクを軽減できる。

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最終更新:9/20(金) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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