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大山エンリコイサム、過去最大の個展をNYで開催中。

9/21(土) 18:55配信

Casa BRUTUS.com

場所はマンハッタン中心部にあるオフィスビル。ペインティングが建物の外や内側、そのさらに奥へと連なる展覧会がいま話題となっている。アーティスト、大山エンリコイサムの『インサイド・アウト』展とは。

エアロゾル・ライティング文化の視覚表現を翻案したモチーフ「クイックターン・ストラクチャー」をベースに、壁画やペインティング作品を発表し続けるアーティスト、大山エンリコイサム。過去最大規模となる個展『インサイド・アウト』は、建物の「外」からすでに始まっている。

ロックフェラーセンターから、徒歩わずか30秒。NYの喧噪がカオス状に渦巻くオフィス街、とあるビルの公共プラザにドーンと出現するのは、パワフルなイメージを施した巨大なオブジェ6体だ。よく見れば、土台となっているのはビルの「柱」。ファサードに元から備わるステンレス製の柱が、大山のアイコニックなモチーフによってパブリックアートへと昇華しているのである。

ファサードに近寄ってみると、ガラス扉の奥にダイナミックな絵画が見て取れる。足を踏み入れると、レセプションロビーの壁に、幅およそ20メートルもの作品がパノラマのように続いている。大山にとって過去最大の絵画作品《FFIGURATI #253》だ。

面白いことにこのロビーは、48丁目と49丁目との間を通り抜ける「抜け道」でもある。半分パブリックなこの空間を、ビルで働くオフィスワーカーや、次の目的地へと急ぐ旅行者が行き交い、大山の作品に偶然出会うというわけだ。

《FFIGURATI #253》が置かれた東側ロビーから、エレベーターを隔てた反対側には西側ロビーが。キャンバス地にかかれたペインティングが5点、真っ白な土台に打ち付けられている。

続いて向かうのは、24階のギャラリー、〈スカイロビー〉。エレベーターを出た瞬間から、静寂漂う別世界へと入り込む。この穏やかなプライベート空間に展示されているのが「ファウンド・オブジェクト」シリーズだ。ブルックリンはじめ各地で見つけてきたビジュアルに、白黒のアイコニックなモチーフを重ねてある。いずれも小さな作品で、近づいて見れば見るほどデリケートで精緻なストロークに驚かされる。

歩道のはるか遠くから柱を眺めたり、古い写真の上にかき込んだモチーフを間近で確かめたり。外と中、パブリックとプライベートがゆるやかに交錯し、対比し合う『インサイド・アウト』展。まずは実際に足を運び、体験されたい。

「『インサイド・アウト』展は1年以上と会期が長く、パブリックアートとしての側面がある展覧会です。また観光客も多いマンハッタンの中心地で開催されているため、NY在住者だけでなく、旅行者の方にも多く鑑賞していただけます。日本の皆さんにもぜひ見て欲しいと思っているので、会期中にNY滞在予定の方はぜひご来場ください」(大山エンリコイサム)

photo_Jeffery Sturges text_Mika Yoshida & David G. Imber

最終更新:9/22(日) 18:37
Casa BRUTUS.com

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