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まるで現代アートの美術館。創作の世界を堪能できるホテル「コンラッド東京」

9/21(土) 15:00配信

T JAPAN web

ホテルジャーナリストが東京のホテルをレビュー

 近年、アートをテーマにするホテルがにわかに増えているなか、当時、すでに日本気鋭のアーティストの作品を厳選して館内を飾ったのが、汐留の東京ウォーターフロント・コンプレックス内に2005年7月1日に新規開業した「コンラッド東京」だった。どこよりも早くアートをテーマにした当時の総支配人は、「ホテルそのものがアートのように」と思いを馳せ、ホテルを飾る使命とアーティストの人選を村井久美氏に託したのである。すべてを託されたアートプロデューサーの村井久美氏は、かつてインタビューでこう語っていた。「作品性を損なわず、自然の脅威にも耐え、建築と共にずっと愛される作品をと作家たちに問いかけた」と。その意志を汲んだ25人の選ばれし作家は、氏の思いをそれぞれに受け止め、それが「コンラッド東京」を飾る作品となって表れた。作家たちの妥協のない創作の世界を堪能できる館内は、アート好きにはたまらない空間であろう。

高い天井のホールには、浜離宮をモチーフに「水と歴史」を描いた作品も

 コンラッドは、誰もが知る「ヒルトン」のラグジュアリーブランドとして位置づけされており、どの国においてもブランド力を感じさせる豪華設備や独特のモダニズムで知られている。日本初登場となった東京の開業時、世界のコンラッドとして25周年を迎えていたものの、日本での知名度は高くなかった。むしろホテルの魅力として、ロケーションの素晴らしさや、スターシェフ、ゴードン・ラムゼイ監修の同名レストラン(現在は別のレストラン、モダンフレンチ「コラージュ」)を前面に打ち出していたのを覚えている。確かに、ロケーションは素晴らしく、ホテルの真下に見下ろす徳川将軍家の別邸「浜離宮恩賜庭園」はあたかもホテル所有の庭園のように見え、ベイビューの各客室からは、太平洋に続く東京湾のパノラマを見晴らせ、東京ベイエリア一帯を堪能できるのである。

 ラグジュアリーを理想とするコンラッド・ブランドの中でも、東京は独自の地域性をアートやインテリア、食事にも投影し、居心地の良い高級ホテルとして旅慣れた世界のトラベラーに好評だ。もともとコンラッドは、世界共通のコンセプト「Sense of Place」を掲げており、すべてのコンラッドがそれを変わらぬ哲学としている。そのコンセプトに基づく東京のキーは“アート”にあり、「墨絵」と「門」というテーマがアイキャッチとして採用された。「墨絵」はホテル内の要所に飾られ、また「門」を意味するアートは客室階の廊下に表現された。

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最終更新:9/21(土) 15:00
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