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大谷のヒザ手術は二刀流への最終警告だ|日本野球よ、それは間違っている!

9/21(土) 6:05配信

幻冬舎plus

広岡達朗

米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平が、9月13日(現地時間)に左ヒザの手術で戦列を離れた。全治8~12週間で、年内には練習を再開できるという。私はシーズン途中で飛び込んできたこのニュースに「またか」と思い、「やっぱり」と感じた。

日本球界の宝だった大谷は昨年、ポスティングシステムを使って渡米した。開幕から投打の二刀流で華々しい活躍を見せたが、同年6月には右ヒジの靭帯損傷で故障者リストに入り、シーズン終了直後の10月1日に靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた。 

2年目の今年はDH(指名打者)として打撃に専念し、これまで106試合で打率.286、18本塁打を放っていた。その一方で投手としてのリハビリを進め、球速も138キロまで上がってきた。その矢先のヒザ故障である。

症状は「ヒザの皿」が2つに分かれる二分膝蓋骨(にぶんしつがいこつ、有痛性分裂膝蓋骨)。ビリー・エップラーGM(ゼネラルマネジャー)によると、大谷はキャンプ中の2月に痛みを訴えて精密検査を受け、DHでの出場には支障がないと判断されたが、シーズン中にも何度か痛みがあったという。

8月6日には7度目のブルペンに入り、術後最多の50球を投げたというニュースがあった。打ったり走ったりするには支障がなくても、左ヒザに体重がかかる投球練習が増えるにつれて、分裂したヒザの皿が悲鳴をあげたのだろう。

ケガ体質の懸念が的中

内外の報道によると、通常は3つの骨がひとつになってヒザの皿を形成しているが、まれに上部外側の骨が先天的に離れていることがあるらしい。これは人口比2%未満の珍しいケースだという。

大リーグの公式サイトでは、「スケジュール通りにいけば、大谷はスプリングトレーニング(春季キャンプ)までに本格的な二刀流選手として戻ってこられる」と伝えているが、私が気になるのは、ケガが多い大谷の体質である。

高校時代は2011年、2年生夏の練習試合で座骨関節の骨端線を損傷。日本ハムでは16年の日本シリーズで右足首を痛めて17年10月に手術した。17年4月には走塁中に左太ももの肉離れでも約3か月戦列を離れている。そして昨年はあの右ヒジ靭帯損傷で大手術を受けた。今回の左ヒザで、3年連続の手術である。

私はいまになって結果論を言っているわけではない。そもそも私は、大谷が2017年11月に「ポスティングシステムを使って米大リーグをめざす」と発表したときから、ポスティングによる渡米と二刀流に反対してきた。おもな理由は、大谷には身長193センチの恵まれた体があり、最速165キロの速球を投げる日本球界の至宝だからだ。

2016年、日本ハムでは投打で活躍してリーグ優勝に貢献したのに、規定投球回・規定打席ともに届かず無冠の帝王だった。日本人では誰も投げられなかった165キロの速球を投げ、将来は400勝投手・金田正一と並ぶかもしれない大器が、二刀流で中途半端な成績に終わるのは「才能の無駄遣い」と思ったからだ。

これらの主張は当時この連載で書き、2018年3月に上梓した『日本野球よ、それは間違っている!』(幻冬舎)にも書いた。

そしてこの本では、「大リーグは二刀流が通用するほど甘くない」「日本ハム時代から故障続きの大谷はメジャーで生き残れるか」「二刀流を封印して下半身を鍛え直せ」といったことも書いている。いうまでもなく、才能と人柄に恵まれた大谷が憎くて批判しているのではない。日本球界が生んだ100年にひとりの逸材が大成するために、「こうすればもっとよくなる」と願って書いた忠告である。

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最終更新:10/18(金) 17:05
幻冬舎plus

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