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『天気の子』新海誠監督の進化を徹底解説! ヒットに隠された“3つの要素”

9/21(土) 11:00配信

週刊女性PRIME

 3つ目の要素としてストーリーやターゲット層も大切なようで、

「中・高生向けのテレビドラマは今では少なくなっています。そんな中、中・高生の視点で自分の理想を投影できるものは深夜アニメや映画が多い。そういった時代背景もあげられると思います。

 劇中では少子高齢化で、景気が悪いというしょぼくれた雰囲気の中で若い人にエールを送るようなメッセージも含まれています。現代の日本を正面から描いてエンターテイメントにするという点は、『君の名は。』を超えていると思います」(前出・藤津さん)

 今回もまた中・高生の口コミから幅広い世代に刺さり、『君の名は。』同様、劇場に複数回、足を運ぶリピーターが続出しているという。

「日本映画で興行収入100億円を突破したのは、同じく新海監督の『君の名は。』以来3年ぶりで、『天気の子』も日本映画を代表する1本になりました」(前出・東宝宣伝担当者)

 '02年、ひとりで作ったデビュー作『ほしのこえ』から現在に至るまで、新海監督自身にどのような変化があったのだろうか。

「新海監督自身がさまざまなインタビューで、“自分は作家ではないのでやりたいことが次から次に出てくるわけではない”と語っています。そして、初長編作『雲のむこう、約束の場所』('04年)以降どうやったら面白い映画になるのか、多くの人に楽しんでもらうためにどうしたらいいのかを常に考えています」(藤津さん)

 デビュー作からモノローグが印象的な作品が多く、男女のすれ違いから生まれる儚さを描く作品が多かった新海監督だったが、

「新海監督が初めて自らの作品をノベライズしたのが『言の葉の庭』('13年)です。この経験でストーリーを作るための手ごたえを感じたと言っていました。

 作品自体は50分程度で、小説1冊にするほどのエピソードはないので、作中にちょこっと出てきたキャラクターの視点で主人公たちの話を眺めるという構成になっています。いろんな視点でそれぞれの人生があるということを学んだのかもしれません」(藤津さん)

『天気の子』が公開され、『君の名は。』以上に賛否両論が巷では起きているようだが、

「新海監督が“『君の名は。』を見て怒った人たちにもっと怒ってほしい”と言っていました。『君の名は。』は、いろんな人が楽しめるようなポピュラリティーを意識して作られた映画でしたが、『天気の子』は描きたいものを描くぞ! という強い意志を感じました。描きたいことが明確になって、それを表現する技が身についてきたのだと思います」(藤津さん)

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最終更新:9/21(土) 11:00
週刊女性PRIME

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