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W杯開幕、ラグビーが「日本人の意識」を変えるのかもしれない

9/21(土) 11:01配信

現代ビジネス

ラグビーW杯開幕戦で日本はロシアに30-10で勝利。ウィングの松島幸太朗が日本代表史上初のハットトリックを達成するなど、好スタートを切った。松島が南アフリカ共和国出身であるように、代表チームの半数(15人)が海外出身選手である。ラグビーの多様性はこの国に何をもたらすのか? 『国境を越えたスクラム』を上梓したノンフィクションライター・山川徹氏が、元日本代表の大西将太郎氏にインタビューをおこなった。

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前編はこちら:ラグビーW杯、元日本代表が語る「海外出身選手が教えてくれたこと」

ラグビーチームは「社会の縮図」

 「ラグビーには、小さくても太っていても足が遅くても、長所を発揮するポジションがある。個性が異なる15人が、それぞれの特徴を活かし、互いに短所をフォローし合うスポーツです。そこがラグビーチームは社会の縮図といわれるゆえんなんです」

 元ラグビー日本代表の大西将太郎は、ラグビーの魅力についてこう説明する。16年シーズンを最後にブーツを脱いだ彼は、現在、ラグビー解説のほか、ラグビーを普及する活動を行っている。

 彼は子どもに対する指導で「ボールを持ったら横を見てみ」とよく声をかける。

 ラグビーは後ろにしかパスが出せない。必然的にボールを持つプレーヤーの前には相手選手しかいなくなる。でも、おそれる必要はない。横を見れば、自分をサポートしてくれるチームメイトがいるからだ。

 「それがラグビーなんです。たとえば、ぼくはパワープレーができる選手じゃなかった。日本代表では、ぼくの代わりにパワーがあるトンガの選手がボールを持って前に出てくれた。トモたち身長の高いニュージーランド選手が空中戦で体を張ってくれた。だからこそ、日本人選手が得意な早いパス回しや、スピードを活かしたアタックができた。そうやって15人が1つのボールをつなぎ、チームのためにタックルをする。そこに国籍や言葉の違いは関係なかった」

 トモとは、ニュージーランド出身のトンプソンルークである。38歳の彼は、大西も出場した2007年に開催された第6回W杯で日本代表に選出されて以来、フォワードの要として代表チームを支え続けた。

 9月20日にはじまった日本大会が歴代最多タイとなる4度目のW杯となる。

 古巣の近鉄ライナーズ、そして日本代表でトンプソンとともにプレーした大西は「トモのプレーは献身という言葉がぴったり合う」と評する。

 「トモはチームメイトを背中で引っ張るタイプ。彼とプレーするのは楽しかった。自分も彼以上にがんばらなければ、と思わせてくれる選手です。身体の張った彼のプレーはチームにいい影響を与えてくれる」

 W杯を機に知られるようになったが、ラグビーでは他国籍でも国の代表としてプレーできる。大西は言う。

 「代表資格を持つたくさんの選手たちのなかから選ばれた最高の15人が、日本代表としてピッチに立っているんです」

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最終更新:9/21(土) 11:01
現代ビジネス

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