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「吉本独立予備軍」のうわさも全否定! マルチクリエーター・品川祐の“青写真”<インタビュー・後編>

9/21(土) 5:45配信

ザテレビジョン

漫才コンビ「品川庄司」としてテレビや舞台で活躍する一方、映画監督、作家、MVの監督など多彩な才能を発揮している品川祐。

【画像を見る】品川ヒロシが監督したMV「ロバート秋山『SAY KOU SHOW』」。「交際して性交渉 / それとも性交渉して交際」のフレーズが哲学的(?)な一曲

先ごろ待望の監督長編映画第5作「リスタート」(2020年公開予定)の制作が発表され、注目を集めている品川だが、この映画の制作費をクラウドファンディングで募ったり、YouTube公式チャンネルを開設して映像作品を発表したり、そして、ものづくりの仲間を集めるためにオンラインサロンを運営したりと、ここへ来て、その活動のフィールドはネットにも拡大。芸人の枠を越え、“クリエーター・品川ヒロシ”としてますます精力的な活動を展開している。

ザテレビジョンでは、そんな品川祐の“現在地点”と“未来像”に迫るべく、前・後編の2回にわたるロングインタビューを敢行。

後編では、映画「リスタート」の制作とも深くつながっているというオンラインサロン「シナガワえんためクリエイト」について、また、ジャルジャル主演のショートムービーなど自作の動画を次々とアップして話題を呼んでいるYouTube公式チャンネル「品川ヒロシチャンネル」について、それぞれの活動状況や今後の展望を聞いた。

■ オンラインサロンのメンバーの助けを借りると、作品づくりの効率がよくなるんです

――今年の春から、オンラインサロン「シナガワえんためクリエイト」がスタートしました。芸人のオンラインサロンといえば、キングコングの西野亮廣さんという先駆者がいます。西野さんは、品川さんの監督長編映画「リスタート」にも出演されていますが、オンラインサロンを始めたのは、西野さんの影響もあるのでしょうか?

品川祐:うん、それは大いにありますね。西野から「品川さんは映像を作ってるから、オンラインサロンは向いてると思います」って言われたこともありますし。ただ、オンラインサロンを始めようと思った直接的なきっかけは、本広克行さん(※「踊る大捜査線」シリーズなどを手掛ける映画監督)なんですよ。本広さんには普段からよくしてもらってて、「オンラインサロンって、すごく面白いよ」って勧めてくれたんです。

――実際に始めてみて、いかがですか?

品川:オンラインサロンの中に俳優部を作ったら、プロの俳優さんが30人くらい入ってくれたんですね。どんなことをしてるのかっていうと、例えば、3分の1くらいまで書いた脚本を、ワークショップで彼らに読み合わせしてもらう。すると、プロの俳優に読んでもらうことで、脚本の直しが効率的にできるんです。今回の「リスタート」にも、俳優部から11人くらい出演してもらってるんですけど、既に読み合わせはできてるから、オーディションをする必要もないわけです。

他にも今、アクションシーンのある作品を作ることに特化した、アクション部も作りたいなと考えていて。本当に、オンラインサロンのメンバーの助けを借りると、映像作品を作るときに非常に効率がよくなるんですよね。

サロンのメンバーとは定期的に交流会も開いていて、みんなで映画の話なんかをして、それもすごく楽しいですし。今考えてるのは、シナリオ部のメンバーに、1分から5分の短編のシナリオを書いてもらおうかなと。その中で面白いものがあれば、YouTubeチャンネルで僕が監督して映像化する予定です。

■ ジャルジャルのコントには、大きい笑いが起こらなくても、ものすごく面白いものがいっぱいある

――今お話に出てきた「YouTubeチャンネル」というのは、今年7月に開設された「品川ヒロシチャンネル」ですね。ロバート・秋山竜次さんのオリジナル曲「SAY KOU SHOW」のMVが56万回再生、ジャルジャルのコントをショートムービーにした動画が軒並み20万回以上の再生を記録するなど、このチャンネルを機に、“映像作家・品川ヒロシ”が今また注目を集めています。

品川祐:秋山もジャルジャルも、僕は昔から大好きで。ジャルジャルに関して言うと、彼らのコントって、お客さんの前でやると、そんなに大きい笑いが起こらないネタも正直あるんですけど、それは決してスベってるわけじゃなくて、ものすごく面白いものもいっぱいあるんですね。だから今回は、そういうコントをショートムービーにしたいなと。

――ジャルジャルのショートムービーは既に3本アップされていますが、映像化するコントはどのように選んだのでしょうか。

品川:ジャルジャル本人たちともだいぶ話をして、たくさんコントを見て、映像にしやすいものを選びました。あと、ハウススタジオで撮れるかどうかっていう基準もあったんですけど(笑)。

――ちなみに、これは「コント」と呼んでいいんでしょうか…?

品川:僕は一応「ショートムービー」と呼んでますけど、特にこだわりはないです(笑)。「ショートムービー風コント」って感じですかね。

■ YouTuberは今や、れっきとした一つの文化の担い手

――今やYouTubeの影響力は絶大で、YouTuberは子どもたちの憧れの職業になるほどの大人気。目下、テレビを主戦場にしている品川さんは、YouTuberの存在をどんな風に受け止めているのでしょうか。

品川祐:YouTuberの動画って、見るつもりがなくても見ちゃうんですよね。僕も酔っ払ったりしたときに、よくYouTubeを見るんですよ。(ビート)たけしさんとか、好きな人の昔の映像なんかを見てるんですけど、そうすると、「関連動画」や「おすすめ動画」がどんどん出てくるじゃないですか。この間驚いたのは、朝倉未来さんっていうプロの格闘家が、街のヤンキーに声をかけてスパーリングをするっていう動画(「街の喧嘩自慢にプロ格闘家がスパーリングを申し込んだらやるのかやらないのか」)が、「おすすめ」で出てきて。見てみたら、めっちゃ面白いんですよ。で、そこからさらに派生して、いわゆるYouTuberの動画もどんどん見る羽目になり(笑)。

YouTuberというのは、今やもう、れっきとした一つの文化の担い手ですよね。ただ、僕たちとやってることは違う。「面白いことを考えるなぁ」ってどんなに感心したとしても、例えば、僕がそれに影響を受けて「ぼったくりバーに行ってみた」なんてできないわけで(笑)。

実は僕、28歳くらいまで、小説を読んだことがなかったんですね。だから一時期、人から薦められた小説を片っ端から読んでたことがあって。そうすると、先入観ゼロだから、どの小説もほぼ100%面白いんです。だけど実際は、面白くない小説もいっぱいあるはずでしょ? YouTuberの世界も、今はその状態だと思うんですよ。要するに、面白いYouTuberもいれば、面白くないYouTuberもいる、と。ただ、まだ成熟してない部分も多いメディアだから、そのへんの評価があいまいになってるっていう。とは言っても、面白いYouTuberがどんどん増えてきてることは間違いないとは思いますけど。

――どのジャンルにおいても、面白いものとそうでないものがあると。

品川:はい、だからテレビと一緒ですよね。自分が好きな番組とそうでない番組があるように。だから、「最近のYouTuberは…」みたいに、ひとくくりに語るのは無理があるんじゃないかな。

■ 今後はもう、自分の好きな仕事だけをしていきたい

――「品川ヒロシチャンネル」では、今後どのような展開を考えていますか。

品川祐:僕は、吉本の将来を背負ってるつもりはない…というか、そんな器でもないんですけど(笑)、以前、大崎さん(吉本興業ホールディングス株式会社会長・大崎洋氏)と食事をご一緒させていただいたときに、「映画業界に打って出たい」「映画で海外と勝負したい」というようなことをお話しされてたんですね。

YouTubeの世界も、これだけチャンネルがどんどん増えてくると、ライバルも多くなる。そうなると、大事なのは、作品性の高さだと思うんです。オリジナリティーがあって、かつクオリティーの高い作品を発表し続けていれば、すぐに結果は出なくても、何か面白いことになって、いずれは吉本のプラスにもなるんじゃないかって…そういう僕の思いもあって。今のところ利益はほとんどなくて、僕も含めて、スタッフも演者もボランティアに近い形ではあるんですけど、それはつまり、みんなが労力を“先払い”してくれてるってことじゃないですか。だから言ってみれば、それこそクラウドファンディングと同じなんですよね。このチャンネルをいずれ大きなものにして、みんなに利益を還元できたらなと思います。

――クオリティーは保ちつつ、収益が得られるように継続したいと。

品川:そう、やっぱりクオリティーは下げたくないですよね。僕は最近、週刊誌に「吉本(興業)独立予備軍」って書かれてるんですけど(笑)、クオリティーを保てるだけの予算を吉本が用意してくれている間は、独立するつもりはないです。

──それは安心しました(笑)。

品川:あと、秋山(竜次)やジャルジャルのほかにも、ネタのクオリティーが高くて、ライブシーンでは活躍しているけどテレビには出ていない、という芸人もたくさんいるんで、その芸人たちのアウトプットの場所として、このチャンネルが機能すればいいなと思いますね。それとゆくゆくは、言葉を使わない、海外の人も楽しめるような映像作品も作れたらなと。

――映画監督、オンラインサロン、そしてYouTubeチャンネルと、いろいろと綿密につながって、相乗効果が生まれているようですね。

品川:偉そうなことを言うつもりはないんですけど、どうせなら今後はもう、自分の好きな仕事だけしていきたいなっていうのがあって。映画を中心に映像を作る仕事と、品川庄司の漫才ライブも含めて自分発信でライブをやること、あとはタレントとして、信頼のおけるスタッフが作っているテレビ番組に出演すること。いろいろと動いてますけど、結局、この3つを続けるために活動してるっていうのが今の本音なんです。

(※大崎洋氏の「崎」は「立さき」が正式表記)(ザテレビジョン)

最終更新:9/21(土) 11:59
ザテレビジョン

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