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「中年の引きこもり」ドイツではありえない理由

9/21(土) 16:00配信

東洋経済オンライン

 逆に親がシングルの場合は恋愛活動に忙しくなります。また自分の趣味や旅行に時間を費やしたいと考える親も多いです。ドイツを含む欧米社会は「カップル社会」であり、何歳になっても「カップルでいて恋愛をしていること」が重要視されていることもあり、恋愛が優先されます。「成人した子どもの面倒を見なければいけない」と考える親はあまりいません。

 子どもが独り立ちする時期について家庭によって多少の差はあるものの、「成人したらなるべく早く親元を離れるのが健全」というのがドイツの社会の共通認識です。子どもが親元を離れた後は、家族の誕生日やクリスマスに集まります。仲のよい親子であってもそうなのですから、ドイツ的な感覚だと、「親と仲が悪いけど、成人後も一緒に住む」というのはありえないことなのです。

■ドイツでは「若者のゲーム依存」が問題に

このようにドイツでは「引きこもり」の問題は身近ではありませんが、その一方で近年「若者のゲーム依存」が問題視されています。ドイツの法廷健康保険組合DAK(被用者代替組合)によると、ゲーム依存だと診断された若者こそ約3%にとどまるものの、危険で病的なゲームの仕方をする「依存症予備軍」の若者は約50万人もいるとされています。

 ゲームにのめり込んだ10代の子が頻繁に学校を休むという結果も出ています。ただ、これが日本でいう「不登校問題」に発展しているかというと、少し違います。ドイツでは就学義務が厳格に管理されているため、日本のように「不登校の子どもを長い目で見守る」ということはありません。

 具体的にいうと、ドイツでは医者の診断書が無いまま長期にわたり学校を休むと、学校から親に連絡がいき、その際の親の説明が不適切だと判断されると、警察に通報されてしまい、警察が自宅に様子を見に来ることがあります。

 ドイツでいう「就学義務」は「学校に行く」という意味ですので、アメリカのホームスクーリングのような「学校以外の場所で学ぶこと」は基本的には認められていません。そのため不登校問題がメディアなどで割とオープンに語られる日本とは違い、ドイツでの「不登校」は場合によっては法に触れる可能性もあるため、ドイツではオープンに取り上げられにくいという現状があります。

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最終更新:9/21(土) 16:00
東洋経済オンライン

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