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欧州で伸びる鉄道利用、理由は「飛ぶのは恥」

9/21(土) 5:10配信

東洋経済オンライン

 最近、日本のテレビニュースでも取り上げられた、「Flygskam(フリュグスカム)」という言葉をご存じだろうか。

【写真】鉄道か飛行機か

 スウェーデン発祥のこの言葉は、直訳すると「飛行恥」「飛び恥」のように訳され、気候変動が世界的に著しい昨今、二酸化炭素を多く排出する飛行機の不必要な利用を恥じ、なるべく環境に優しい鉄道を多用しよう、と訴えかける運動である。

 実際のところ、乗客1人が1km移動する際に排出される二酸化炭素の排出量は、鉄道が14g、道路交通が158gなのに対して航空機は285gで、他の交通機関と比較して群を抜いて多いことは、紛れもない事実だ。

■実際に進む「飛行機離れ」

 この活動は、スウェーデン人の冬季五輪金メダリストであるビヨン・フェリー氏や、若き環境活動家、グレタ・トゥーンベリ氏などの著名人が賛同したことで、徐々に周知されていった。

 調査によると、スウェーデン国民の37%が可能な限り飛行機をやめて鉄道で旅すると答えており、実際に2019年4月のスウェーデン国内の空港利用者数は、対前年比で15%減ったと空港管理会社スウェダヴィア(Swedavia)が発表している。一方、スウェーデンの主要鉄道オペレーターであるSJは、2019年1~3月の利用客数が対前年比で12%伸びたと発表しており、影響があったことは明らかだ。

 Flygskamという単語はSNSを通じて瞬く間に欧州全体へ広がり、すでにスウェーデン以外の欧州各国にも影響が表れ始めていると言われている。

 Flygskamに賛同するスウェーデン人の一部のビジネスマンは、ロンドンやフランクフルト、ジュネーブへの出張ですら、約24時間かけて鉄道で移動しているという。これらはいずれの都市も、航空機なら片道2~3時間で、日帰り出張も可能な距離だ。

 北欧最大手の航空会社、スカンジナビア航空(SAS)のCEO、リカード・グスタフソン氏は、航空交通量の減少を招くこの動きを非難しており、「この運動によって業績に影響が出始めると確信している」と不快感を示した。国際航空運送協会(IATA)のCEO、アレクサンドル・ド・ジュニアック氏も、「この運動は揺るぎなく、徐々に広がりを見せていくことだろう」と懸念を示している。

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最終更新:9/21(土) 8:42
東洋経済オンライン

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