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千葉の停電、復旧を阻む「真因」は何なのか

9/21(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

 ブーンというチェーンソーのけたたましい音が周囲にこだまする。

 台風15号による大規模停電の発生から9日後の9月18日。千葉県南房総市二部地区の復旧現場では、東京電力パワーグリッドの協力会社の作業員が高所作業車に乗り込み、根本から崩れかけている広葉樹の幹や枝を切断して、地面に下ろす作業に苦闘していた。

【写真】溝腐れ病が疑われる杉。幹の途中から折れている

 「硬くて重い木なので、チェーンソーで切るのに時間がかかる。切断した木は落下しないように重機で吊るしながら、安全を確認しつつゆっくりと下ろしていく」

 現場責任者を務める東電パワーグリッド品川支社の菅野欣浩氏が、作業の難しさをこう説明した。

■1軒の停電を解消するために多大な労力

 山あいのこの地区では台風による倒木が高圧電線を切断してしまい、電気が届かない状態が9日間にわたって続いていた。この日、東電パワーグリッドの指揮の下、協力会社の「東配工」が9台の車両と20人近い社員を投入し、停電の復旧に漕ぎつけた。

 復旧の行く手を阻むのは、作業の難しさだけではない。山林の所有者と連絡がとれず、やむなく作業着手を優先。終了後に別途、伐採の了承を得ることにした。

 さらに、現場近くにある民家への引き込み線にも木が覆いかぶさっている。そこには車両が入れないため、はしごを使いながら時間をかけて倒木を撤去していく。1軒の停電を解消するために、多大な労力が必要だ。

 経済産業省の推定によれば、今回の台風による電柱の倒壊は約2000本にのぼるとされる。電線の切断箇所に至っては、どれだけあるかはっきりしていない。

 南房総市川上の復旧作業現場では、杉の木が幹の中ほどからぽっきりと折れた林が広がっている。周辺では折れた木が電線に覆いかぶさって停電を引き起こしていた。

 この現場では100人以上の作業員を投入。幹線道路沿いに工事用車両をずらりと並べ、半日かかりで復旧作業が進められていた。

■「事故点」を突きとめるのは難しい

 大雨が降り続く中、幹線道路沿いでは、高所作業車での電線のつなぎ込み作業が続いた。熟練した作業員が、ゴム製で絶縁性能のある防護材を電線に巻き付け、感電を防いでいた。復旧作業が終了したのは午後3時半ごろ。東配工の吉田幸之助班長は「安全作業でけがもなく終えることができた」と振り返った。

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最終更新:9/21(土) 6:00
東洋経済オンライン

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