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近本光司が更新した今こそ称える、新人・長嶋茂雄153安打の偉大さ。

9/21(土) 9:01配信

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 阪神の近本光司は、9月19日のヤクルト戦の1回、二死から右前打を打って今季の安打数を154本とした。これは、セ・リーグ新人の最多安打記録だ。

 野球というのは見て楽しむスポーツであると同時に、「数字」「記録」でも楽しむスポーツだ。筆者など小学校時代に、かけ算わり算を野球の打率や防御率で覚えた口だが、同時に野球には“いい加減な部分”が常について回る。

 メディアは「阪神の近本が、巨人、長嶋茂雄の新人安打記録を61年ぶりに塗り替えた」と喧伝しているが、本質はどうなのか、という部分もあるのだ。

 <新人のシーズン安打記録5傑。近本の記録は2019年9月19日時点>
1 佐々木信也(高橋)1956年
180安打/154試合 打率.289
2 源田壮亮(西武)2017年
155安打/143試合 打率.270
3 近本光司(阪神)2019年
154安打/136試合 打率.274
4 長嶋茂雄(巨人)1958年
153安打/130試合 打率.305
5 京田陽太(中日)2017年
149安打/141試合 打率.264

 試合数に注目してほしい。近本は長嶋茂雄より、現時点で6試合多いのだ。

 また、1位の佐々木信也は154試合も出ている。これはNPBのシーズン最多出場記録ではあるが、出場試合数が違えば打席数も異なり、打てる安打数も変わってくる。

試合数が違う、という議論。

 試合数が違うのに、シーズン達成記録を比較することに意味があるのか? 

 これはMLBで大きな議論になったことがある。

 1961年、ヤンキースのロジャー・マリスが、チームの大先輩、ベーブ・ルースが1927年に記録したシーズン60本塁打を抜く61本塁打を記録したときは、「ルースの時代は154試合制だが、マリスの時代は162試合制だ」と異議申し立てをする人が続出した。

 当時コミッショナーを務めたフォード・フリックも反対した1人だった。記録達成前、フリック・コミッショナーは「154試合までにマリスがルースの記録を抜いたら新記録」という見解を示したが、マリスは抜けなかった。

 結局、当時のMLBシーズン最多本塁打はベーブ・ルースの60本が1位、162試合制でのマリスの61本は「参考記録」となった(今はMLB記録として正式に認められている)。

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最終更新:9/21(土) 9:01
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