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人気バラエティ番組から宮迫と亮が抜けた穴は埋まっているのか?

9/22(日) 11:01配信

FRIDAY

宮迫の存在を消すのはかなり難しい

9月20日放送の『アメトーーク!ゴールデン3時間SP』(テレビ朝日系)で、雨上がり決死隊の蛍原徹とロンドンブーツ1号2号の田村淳がMCとして共演した。

雨上がり決死隊MCの『アメトーーク!』とロンドンブーツ1号2号MCの『ロンドンハーツ』は、いずれも現代を代表する人気バラエティ番組であり、同じプロデューサーが手がけている姉妹番組でもある。闇営業問題でそれぞれコンビの片方が抜けている状態にある2人が、特番で夢の共演を果たした。

闇営業の件で宮迫と亮が謹慎することになり、『アメトーーク!』と『ロンドンハーツ』は存続の危機に直面した。それぞれの番組が彼らの抜けた穴をどうやって埋めるのか、対応が注目されていた。

特に『アメトーーク!』の被害は深刻だった。一度に多くの芸人をスタジオに集めて収録する形式の番組であるため、撮り直しをすることが事実上不可能である上に、宮迫はMCとして中心的な役割を果たしていたからだ。

宮迫の謹慎後初めてのオンエアとなる6月27日放送回では、スタジオに存在するはずの宮迫の声と姿を無理矢理カットしていた。本来なら蛍原の隣にいるはずの宮迫を何とか見せないようにするために、蛍原と別の芸人の映像を2画面で見せるなど、スタッフの苦労がしのばれる仕上がりとなっていた。

映像の面で最も苦しそうだったのは、宮迫が映り込んでしまうため、全体を映すような「引き」の映像が使えないことだ。個々の芸人を映す「寄り」の映像ばかりが重なるため、どうしても画面が窮屈になり、映像が単調になってしまう。

個人的には、映像の不自然さよりもトークのテンポの方が気になった。本来ならば、ゲストの話を宮迫が受けて、相槌を打ったり、話を広げたりしているはずなのだが、そこがバッサリ削られているため、話題が次々に切り替わってせわしない感じがする。トーク番組では話を受ける「間」も重要であることを再認識させられた。

◆亮の不在はそれほど痛手ではない

謹慎後の初回こそ苦しかったものの、その後の『アメトーーク!』は何とか宮迫なしの体制で続いている。宮迫がいる状態で収録されていた回の編集もだんだんこなれてきたため、見ていてあまり違和感を覚えなくなった。

新たに宮迫なしで収録された回は、蛍原が1人でMCを務めていた。これはこれで宮迫がいるときとは別物として違和感なく楽しめるものになっていた。宮迫が抜けても気にならなくなった理由は、もともと番組自体の段取りを進めるのは蛍原の役割だったからだ。蛍原が1人で番組を進行するのにもそれほど不自然さはないのである。

宮迫は話を受けたり広げたりするだけではなく、自分で話をして落とすこともある万能型のプレーヤーだった。彼が抜けたことで、MCとゲストの間の力関係が変わり、ゲストの芸人がのびのびと話せるようになっているように見える。今までとは少し番組のトーンが変わったが、これはこれでありだな、と思えるようになってきた。

一方、『ロンドンハーツ』ではこれとは別の試みが行われていた。そもそもロンドンブーツ1号2号がMCを務める場合、進行役は淳が担っている。そのため、亮が抜けても進行の面ではそれほどの痛手ではない。

そこで『ロンドンハーツ』では、亮の代役として人気沸騰中の宮下草薙の草薙航基が起用されていた。亮の代わりだから何もしなくていいし何もしゃべらなくていい、などと先輩芸人にイジり倒されながら、終始戸惑いの表情を浮かべている草薙が面白かった。

また、進退が定まっていない宮迫と違って亮はイメージも良く、いずれは復帰できそうな雰囲気もあるので、番組内でもそれをネタにしやすい。亮が抜けたこと自体は番組にとって不運な出来事だったかもしれないが、すでに十分なリカバリーはできている状態だ。

人気のバラエティ番組を支えている2人が急に抜けたことで、彼らがそれぞれの番組でどういう役割をしていたのかということが改めて浮き彫りになった。バラエティ番組は生き物のようなもので、状況に合わせてどんどん進化していく。未曾有の危機に直面して苦闘する『アメトーーク!』と『ロンドンハーツ』をこれからも見守っていきたいと思う。

文:ラリー遠田
作家・ライター、お笑い評論家。お笑いやテレビなどの評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)など多数の著書をもつ。公式サイト:http://owa-writer.com

FRIDAYデジタル

最終更新:10/1(火) 17:42
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