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侮るなかれ!実は恐ろしい職場の「居眠り」 心当たりを自分で症状チェック!

9/22(日) 6:11配信

NIKKEI STYLE

《連載》いきいき職場のつくり方 産業医・精神科専門医 植田尚樹氏

社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

【図解でわかる】無呼吸症候群の重症度&自己診断シート

■その居眠り、SASではありませんか?

「居眠り」というとついつい軽く考えがちですが、産業医の面談には居眠りで仕事に支障を来した人も訪れます。会議で居眠りしたり、業務中にウトウトしたり。いくら注意しても一向に改まらないことから、ようやく上司が問題に気づくというケースが多いようです。

人材派遣会社に勤務する30歳男性の事例です。入社して1年になりますが、会議や商談の最中に、たびたび居眠りをしてしまい、周囲はもちろん取引先からも繰り返し注意を受けていました。「何か体に異常があるのではないか」と上司が産業医との面談を勧めたのでした。

男性の話を聞いてみたところ、数年前から午後になると激しい眠気に襲われるということでした。前職でもたびたび居眠りを注意され、会社にいづらくなったそうです。家族からも「就寝中、いびきがうるさい」としばしば注意されていました。

居眠りの原因のひとつが「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、SAS)」です。「無呼吸」とは睡眠中に呼吸が10秒以上止まる状態を指します。就寝中に呼吸が停止し、睡眠を妨げることで、睡眠不足をもたらし、結果として居眠りを招くのです。

■SASを救うCPAP

SASは舌が喉の奥に沈み込み、気道を狭めて塞いでしまう病気です。このため大きないびきをかいたり、呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態が断続的に繰り返されます。

面談した男性に睡眠障害の専門外来(スリープクリニック)の受診を促したところ、検査の結果、重度のSASと診断されました。

SASの診断基準では、無呼吸と呼吸量が通常の半分以下になる「低呼吸」を合わせた回数が1時間あたり5回未満なら正常、30回以上なら重症と判断されます。この男性の場合、検査では40回でしたので明らかな重症で、寝床に入っていた525分のうち、実際に眠っていたのは245分と5割に達しませんでした。

重症のSASの治療にはCPAP(シーパップ、Continuous Positive Airway Pressure、経鼻的持続陽圧呼吸療法)が施されます。鼻に装着したマスクから空気を気道に送り込み、気道が塞がれないようにすることで、無呼吸を防ぐ仕組みです。

面談の男性にもCPAPが施行されました。その結果、睡眠状態は改善し、疲労感もとれ、居眠りもなくなりました。

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最終更新:9/22(日) 6:11
NIKKEI STYLE

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