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中小企業が「AI化の波にうまく乗っかる」コバンザメ戦略とは?

9/22(日) 15:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

※本連載では、公認会計士・米国公認会計士の資格を持ち、数々の企業でコーポレートファイナンスを通じて新たなスキームを構築してきた株式会社H2オーケストレーターCEO、一般社団法人M&Aテック協会代表理事および公認会計士久禮義継事務所代表である久禮義継氏が、新時代に中小企業が生き残るための経営戦略を提案していきます。

大企業、スタートアップと協業するコバンザメ戦略とは

前々回に述べた通り、AI化は会社の規模に関係なく大きな影響を与えるものです。しかし、真正面からこの時代の流れに戦いを挑んでも、「戦いにならない」のではないかと思います。

大企業と比べて適応能力が劣り、そもそも必要な社内リソースが皆無に等しいような大多数の中小企業にとって、竹槍をも持っていない状態で戦いを挑むような感じだと思います。したがって、そのような状況下で生き残りをかけるポイントは針の穴を通すかのように絶妙なポジション取りをすべきことではないかと考えます。

そこで今回は、次の通り「AI化の波にうまく乗っかる」と「あえてAI化の波に乗らない」という両極のポジショニングにわけて、検討を進めていきたいと思います。

【AI化の波にうまく乗っかる】

中小企業においては、高度デジタル技術の開発能力以前に、AIに対する基本的理解や利活用する能力さえも乏しいことが多いです。ただ、以前紹介したコバンザメ戦略を活用することは可能だと思います(巨大なクジラにしがみつくコバンザメというような図式)。

つまり、AI技術を開発していたり、積極的に導入している(または導入予定)会社との関係性をうまく深めるということです。この場合の巨大なクジラとしては主として、大企業やスタートアップが想定できるのではないでしょうか。

大企業であれば、開発したAI技術を自社に導入するなどして、時代の流れにしがみついていき、受動的ではありますが、AI化を「機会」や「強み」に変えていく動きにできる可能性があります。これは中小企業が大企業との間で次のような関係性がある場合に有効でしょう。

• 大企業の下請け企業である場合

• 下請けまでは至らないものの、一定の取引関係がある場合

• 特殊な技術を保有しているなど独自の強みを有しているため、大企業相手といえども取引上有利な立場にある場合

• その他、特別な関係性がある場合(親族や同級生が経営者、地元が近接など)

また、普通の中小企業にはないAI技術力を武器にするスタートアップと組むというのも一つの策です。スタートアップはとんがっていますが、企業サイズや従業員数などの点では所詮中小企業の一つです。

大企業とコラボレーションをすることで短期的な急成長を目指すスタートアップは多いですが、スタートアップにとっては最初から大企業に挑む前に、自らを成長に導くための“組みやすい相手”として、中小企業とのコラボレーションを戦略の一つとして考える可能性は十分にあります。

ただ、当然ながら、大企業やスタートアップに対して、組むにふさわしい相手と思わせるだけの実力やポテンシャルを示さなければいけないので、一筋縄では行かないかもしれません。

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最終更新:9/22(日) 15:00
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