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ロティーナ監督の下で迎える新境地。好機を生む水沼宏太の位置取りの妙。

9/22(日) 20:01配信

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 4連勝と調子を上げているセレッソ大阪。そのなかで日に日に存在感が大きくなっている選手がいる。

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 水沼宏太だ。

 横浜F・マリノスのアカデミーで育ち、トップチームに昇格後は栃木SC、サガン鳥栖、FC東京と渡り歩き、5チーム目となるC大阪にやってきたのは2017年のこと。

 その彼が今季から就任したロティーナ監督のサッカーにおいて、なくてはならないプレーヤーとなっている。彼のプレーをじっくりと見ると、その答えがピッチにはっきりと出ていた。

 彼がセレッソにもたらしているもの――。それは抜群のポジショニングからくる、戦術の円滑な遂行だ。

 水沼は目まぐるしく戦況が変わるピッチの中において、常に味方がいてほしい場所にいる。右サイドハーフの位置から首を振り、細かいステップを入れながら、アウトサイド、インサイドと斜めに移動。攻撃時にはパスの経由地となり、さらにサイドバックやボランチ、FWを生かすスペースメイク、そして自らがそのスペースを活用して決定的なプレーも見せる。守備面では常に味方の守備ポジションを確認しながら、攻から守に切り替わった瞬間にボールの出しどころを消し、強烈なプレスバックを仕掛けて相手の自由を奪う。

水沼宏太のプレーが変わった。

 水沼と言えば、豊富な運動量と突破力とキックセンスを併せ持ち、トップ下、インサイドハーフ、サイドハーフと複数のポジションをこなすことができるが、近年はサイドアタッカーでプレーすることが増えてきた。

 特に2012年から'15年まで過ごしたサガン鳥栖では、ユン・ジョンファン監督の下でウィングのようにガンガン縦に仕掛けるサイドアタッカーとして活躍。「生粋のサイドプレーヤー」という印象がついたように思う。C大阪に来てからも、右サイドから仕掛ける「槍」として自身を表現していた。

 しかし、今年に入ってから何かが違う。もちろんいい意味で、だ。

明らかに増えたバックステップ。

 「ロティーナはサイドハーフとして自分の幅をどんどん広げてくれているんです。頭を使ってプレーするところと、フリーランの質、味方を生かし、生かされるプレーが求められる。それは僕の考え方とも一致しているんです」

 今季、C大阪は第10節松本山雅FC戦から3-6-1から4-2-3-1にシフトチェンジした。すると、水沼は右サイドハーフのレギュラーに定着。9節まではスタメン出場1回だった男が、13日の26節浦和戦まで17試合連続スタメンと、チームに欠かせない存在となった。

 彼のプレーを見ていて、気づいたのは試合中の“バックステップ”が多くなったことだ。

 昨年まではボールの動きを見てから、ワイドに張る、またはインサイドのポジションを取ることが多かった。だが、今年はスタートから意識的にインサイドにポジションを取っているように見える。そこから味方との距離感、相手DFの視線を洞察し、バックステップをしながら細かいポジション修正を図っているのだ。

 そうなると、必然的に首を振る回数は増える。その分、自分がどこにいるのか、味方と相手がどこにいるのかが把握しやすくなる。状況を把握して動き出すからこそ、その精度もまた必然的に高くなる。

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最終更新:9/22(日) 20:01
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