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「飛行機が好き」と思った子どもに何を与えるか?

9/22(日) 6:00配信

日経ビジネス

レッドブル・エアレース、千葉で終幕

 2019年9月8日、千葉・幕張海岸でレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの歴史が終了した。曲技飛行用航空機で水上に立てたパイロンの間を巡り、速度を競うレースだ。選手は旋回時の10G(地球の重力の10倍)にも及ぶ高い加速度に耐えることに加え、正確な操縦技術と、風向きや気温などへの的確な状況判断が要求される。このことから「空のF1」という別名も持つ。

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 このレースは2003年からエナジー飲料のレッドブルが主催して、全世界の都市を巡るワールドシリーズとして開催され続けてきた。2015年からは千葉県の幕張海浜公園でも開催されるようになり、2017年には日本から参戦した室屋義秀選手が年間チャンピオンを獲得した。

 今年、レッドブルは「レッドブルが主催する他の世界選手権と比較して、業界外から十分な興味を引くことができなかった」としてレースの終了を発表。奇しくも9月7・8日の千葉大会が最終戦となった。

 最後の千葉大会は劇的な展開となった。参加する14人のパイロットが2人1組の7組で競う初戦「ラウンド・オブ・14」で、室屋選手は敗退。しかし敗退選手の中のトップタイムであったことから「ファステスト・ルーザー」として2回戦に進み、そのまま4人で競う決勝戦「ファイナル4」に進出し、優勝したのである。

 千葉大会の直前まで、室屋選手は年間ポイントで第3位につけており、トップのマット・ホール選手(オーストラリア)を追っていた。千葉大会でホール選手は3位。室屋選手の追撃は1ポイント差で届かず、年間チャンピオンはホール選手が獲得し、室屋選手は年間総合2位となった。

 私は2015年以降の5回の千葉大会のうち、今回も含め4回を観戦することができた。実のところ、自分はレースの興奮とは別の視点で、レッドブル・エアレースを見ていたことを白状しよう。

 「このレースは日本の航空産業を盛り上げる起爆剤となり得るか、なり得るとしたらどのような手を打っていけばいいのか」という視点だ。

 結論から言えば、レッドブル・エアレース千葉大会は、最初の種を蒔くことには成功した。しかし種が芽生え、大きく育つには次なる苗床が必要だ。

 次の苗床はなにか。最初に必要なのは補助金行政でも特区政策でもない。これから説明する3つの空白を埋めるところから始める必要がある。

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最終更新:9/22(日) 6:00
日経ビジネス

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