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日本の富裕層が「国際的な贈与」での節税を考えなくなったワケ

9/23(月) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「国際的な贈与」とはどういうことでしょう。本記事では「海外に住んでいる人たち」が、「海外にある財産」を贈与したり受け取ったりすることによって行う節税の仕組みをご説明します。ただし、結論から申し上げますと、「国際的な贈与」による節税は2019年9月時点では非常に難しくなってきているのが現状です。これを順を追ってご説明いたします。

改正前は「5年ルール」と呼ばれる規制があったが…

まず大前提としまして、贈与者(あげる側)も受贈者(受け取る側)も日本に住んでいる場合、日本国内にある財産も、国外にある財産も全てが贈与税の対象となります。

一方、贈与者と受贈者が海外に住んでいたり、日本国籍がなかったりした場合には、一定の要件を満たせば国内財産のみが贈与税の対象となり、国外財産は贈与税の対象としないことができます。

「国際的な贈与」による節税というのはすなわち、この「一定の要件」を満たして国外財産を贈与税の課税対象にしないことを狙う仕組みです。

現在の「要件」については後程詳しくご説明しますが、2017年の税制改正前は通称「5年ルール」と呼ばれる規制があり、2017年3月31日以前の贈与であれば、贈与者と受贈者がともに5年を超えて日本の非居住者(国内に住所がない者)であるときは、国内財産にしか課税されず、国外財産には贈与税がかかりませんでした。

この「非居住者(国内に住所がない者)」には明確な定義がありませんが、一般的には一年の半分以上を海外で暮らせば「非居住者」になると解釈されていました。そこで、年間183日以上を海外で暮らし、それを5年間続けていれば、国外財産をいくら贈与しても贈与税を払わなくてすむという節税を行う人がいました。

日本の富裕層の方たち、特に一代で財を成した不動産業者やパチンコ業者、IT長者の一部の人たちは、このルールを利用して節税するために、財産を受け取らせる子供や家族を連れて香港やシンガポールに5年間限定で移住していたようです。

ところが2017年の税制改正により、この手法を用いた節税のための要件が非常に厳しくなりました。

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最終更新:9/23(月) 12:00
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