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D2C ブランドが直面する「パクリ」問題

9/24(火) 17:31配信

DIGIDAY[日本版]

「模倣は最大の賛辞」という言葉がある。

D2C(direct to consumer:直販)の医療会社ロー(Ro)が9月にMedium(ミディアム)の投稿で主張したのが、まさにこのことだった。ローの共同創業者ザカリア・レイターノ氏は、ライバルのヒムズ(Hims)が新たにはじめた訪問診療サービスが、自社のサービスに驚くほど似ていることに気づいた。ポップアップの問診票を利用したユーザーフローはそっくりコピーされ、サンプルの写真まで同じだったのだ。

だがレイターノ氏は、ヒムズを声高に非難するのではなく、真似されたことを賛辞と受け取っていると語った。「ローには、自分たちが世界中でもっとも患者中心の企業だという自負がある。ほかの人もそう思っているのなら、腹を立てる必要などあるだろうか」と、レイターノ氏は投稿で述べている。

実にひどい話だが、ローが巻き込まれたトラブルは、デジタルネイティブのスタートアップのあいだで他社を真似る行為が続いていることを示す格好の例だ。実際、こうした問題は増えており、企業や創業者は対応を迫られている。多くの小規模ブランドは、事業を拡大して資金調達を増やすにつれて、ほかの企業のベストプラクティスに目を向けるようになる。しかし、D2C市場は規模が大きくないため、いったんトレンドができると、あらゆる企業がこぞってその波に乗ろうとするのだ。

もうひとつの事例

最近起こったもうひとつの事例が、CBD(カンナビジオール)入りスパークリングウォーターを手がけるリセス(Recess)だ。同社は、カナダの飲料メーカーであるデイドリーム・ドリンクス(DaydreamDrinks)が、デザインコンセプトだけでなく、フレーバーまでコピーしていることに気づいた。リセスの創業者ベンジャミン・ウィッテ氏によれば、自社のブランディング要素を他社に真似されたケースは過去にもあったという。たとえば、グラデーションを基調とした、インスタ映えする缶のデザインがそうだ。だが、デイドリームによるコピーは「これまでにないレベル」だった。

「彼らは『ブラックベリーチャイ』のような珍しいフレーバーまで真似た」と、ウィッテ氏は指摘する。ただし、リセスの事例は、ローの場合とやや異なると同氏は考えている。あちらがコピーされたのはユーザーフローだが、「こちらはブランドなのだ」と、彼は語った。リセスは5月、デイドリームに対して製品の販売停止を求めたが、デイドリームのサイトはまだ稼働しており、そのデザインや売られている製品は、いまだにリセスとそっくりだ。

実際のところ、こうした問題は、ブランドを成長させる過程で創業者が受けるプレッシャーが増えている現状を反映したものといえる。製品をリリースするのは簡単だが、ブランドを成長させるのは難しい。成長著しいD2C業界では特にそうだ。

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最終更新:9/24(火) 17:31
DIGIDAY[日本版]

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