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なぜいま、 制作会社 は「窮地」に陥っているのか?:「すべてがますますコモディティ化されつつある」

9/24(火) 17:31配信

DIGIDAY[日本版]

変わりゆくビジネスモデルのプレッシャーと、ブランドと協働するための新たな方法を見つける必要性は、エージェンシーに影響を与えているだけではない。制作会社はいま、より競争が激しい市場で重圧にさいなまれている。その市場では、予算はさらに厳しい。支払い期限は延長されつつあり、一度限りのプロジェクトワークが当たり前になりつつある。

デジタルコンテンツやソーシャルコンテンツに対するニーズが、ビジネスの制作部門に大きな影響を与えている。かつては「ブランド─エージェンシー─制作会社」というリニアチェーン(線形的連鎖)の最後のリンクだった制作という仕事は、いまやひとつのタイプの会社から、これら3つ全部へとシフトしている。埋めなければならないメディアチャネルが増え、作らなければならないコンテンツもかつてないほどに増えている昨今、ブランド各社はこうしたコンテンツをいままでよりも速く、安価に作る方法を模索するようになっている。

「いかに安価に作れるかということが、いま、業界内でいちばんの話題になっている。実に残念なことだ」と、あるクリエイティブエージェンシーの制作部門の幹部はいう。

コストや、より多くのコンテンツに対するニーズへのこうしたフォーカスは、制作会社を圧迫しているだけではない。それは広告の作り手を変え、これまで以上の競争も助長している。各制作会社はもはや、ほかの制作会社と争っているだけではない。多くの企業が制作サービスをインハウスで提供するいま、そのエコシステムのなかにいるすべての企業、ブランドやエージェンシー、さらには一部のパブリッシャーとも争っているのだ。

「大手のネットワークエージェンシーには、インハウスのコンテンツスタジオがいくつも登場している」と語るのは、スティンクスタジオ(Stink Studios)でCEOを務めるマーク・ピトリック氏だ。「そのせいで、間違いなく多くの大手制作会社が大打撃を受けている」。

制作に対する選択肢の数は、デジタルチャネルやソーシャルチャネルに必要とされるコンテンツの台頭とともに、過剰なまでに増えてきた。これらのチャネルでは、フルスケールのテレビコマーシャルスタイルの制作は必ずしも必要とされていない。制作業務のインハウス化を進めているのは、ブランドやエージェンシーだけではない。クリエイティブドライブ(Creative Drive)やアクセンチュアインタラクティブ(Accenture Interactive)、メディアモンクス(MediaMonks)をはじめとする、デジタルコンテンツの「ワンストップショップ」もすでに市場に進出しており、制作会社に重圧をかけている。

各制作会社はすでに、減少する大型コマーシャルや、逼迫する予算を補うべく、クリエイティブ業務などのより多様なサービスをブランドに直接提供しはじめている。エージェンシーと制作会社のあいだで繰り広げられるこうした競争(それぞれが相手方のサービスをブランドに提供)は、両者の関係の緊張へとつながっている。

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最終更新:9/24(火) 17:31
DIGIDAY[日本版]

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