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狭小空間の点検を行う球体ドローンの新機種を発表

9/27(金) 6:00配信

JBpress

 ドローン(小型無人機)ベンチャーのブルーイノベーションは2019年9月20日、屋内の設備点検用途を想定したドローンの新機種「ELIOS2」を発表した(写真1)。価格は500万円前後で12月中旬に販売を開始する。

【写真】ブルーイノベーションが発表した球体ドローン「ELIOS2」

 ELIOS2および従来機「ELIOS1」は、プロペラやカメラを含む機体全体をカーボン製の球体ガードで覆っているため、障害物などへの衝突に強い。直径は40センチ。下水管、パイプライン、ボイラーの内部など狭小空間を安定して飛行し点検作業を実施できる。

 2018年6月に販売を開始したELIOS1は、プラントや鉄鋼、造船、建設などさまざまな業界での点検作業に使われている。ブルーイノベーションのスタッフは、操縦の手伝いや飛行プランの策定などで導入企業を支援するため、平均すると週2~3回の頻度で現場に赴いている。このような支援を受けた現場の数は、これまでにおよそ100件にのぼるという。

 新製品のELIOS2は、従来機に比べ姿勢制御機能と撮影機能を高めた。7カ所に搭載した視覚センサーと赤外線センサーを用いることで、構造物や壁面との距離を一定に保ちながら飛行できる。障害物にぶつかって機体が45度以上と大きく傾いた場合は、一部のプロペラを逆回転させて安定した姿勢に戻す機能も備えている。また、4Kカメラや高輝度のLEDライトを搭載して点検映像・画像の撮影機能を高めた。

 大幅な機能向上を図ったELIOS2は「屋内点検の大きなイノベーションを起こすのは間違いない」と熊田貴之社長は話す(写真2)。さらに熊田社長は、新製品のリリースを機にELIOS2を活用する現場の数を「3倍ほどに増やしていきたい」と意気込む。

■ 機体が操縦者から見えない場所での飛行も可能

 ELIOS2は、ELIOS1に引き続き、操縦者からの電波が届きにくい環境でも利用できるよう、アンテナの延長ケーブル「RANGE EXTENDER」を利用できる。壁や地面などで操縦者と機体が隔てられていても、操縦者はELIOS2が送信する高精細映像を手元のモニターで確認しながら操縦できる。

 構造物や壁面から一定の距離を保って飛行する新機能「ディスタンスロック」は、老朽化した設備点検の現場で特に有用だ。トンネル内部の検査などでドローンが壁面に衝突することで、劣化したコンクリートが剥離して落ちるリスクを回避できる。

 新たに搭載した静止画の撮影と屈曲した映像の平面補正機能によって、点検対象設備の正確な状態把握を可能にした。加えて、撮影した画像上で任意の2カ所の点を指定すると、その2点間の直線距離を計測する機能も併せ持つ。剥離しかけたコンクリートの大きさや亀裂の長さを確認し、メンテナンスの要否の判断や保守作業の計画策定が容易になる。

 また、ELIOS2は球体ガード、LEDライト、プロペラなどのパーツごとに交換可能にして機体自体のメンテナンス性を高めた(写真3)。必要なパーツを調達して利用企業が自ら交換できるので、ドローンの修理時間の短縮が図れる。

■ 自動飛行するドローンで倉庫の棚卸を効率化

 ブルーイノベーションはドローンを活用したソリューションの開発も行っている。その一つが、2019年6月に発表した「BI AMY(ビーアイ エイミー)」で、主に倉庫の棚卸で用いる(写真4)。

 BI AMYではドローンの飛行を支援するマーカーを天井や床に貼る。するとドローンはカメラで読み取ったマーカーの情報をたよりに自己位置を±1センチの誤差で把握。あらかじめ専用アプリで指定されたルートを自動飛行しながら、棚の商品をカメラで撮影していく。棚卸作業の実施時間に合わせてドローンの離陸時刻を設定しておくこともできる。

 熊田社長によると、棚卸業務の効率化を図りたい大型倉庫の運営企業からBI AMYの引き合いが相次いでいるという。

栗原 雅

最終更新:9/27(金) 6:00
JBpress

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