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なぜ香川と久保の“ギャップ”は生まれた? 現地から読み解く背景「明確な理由がある」

9/28(土) 12:01配信

Football ZONE web

【現地発】サラゴサで絶大な人気を誇る香川、マジョルカでユニフォームを見かけない久保

 日本代表MF香川真司(サラゴサ)と同MF久保建英(マジョルカ)。中盤でプレーする2人は現在、スペインを戦場に据えている。日本で高い人気を誇る両雄だが、現地に足を踏み入れると、日本の報道を確認するだけではどうしても掴み切れない、香川と久保の“ギャップ”が存在した。

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 サラゴサに降り立ったのは現地時間21日だった。この日は スペイン2部リーグ第7節のルーゴ戦(0-0)を行なったが、驚かされたのは香川の愛されぶりだ。今夏に加入したばかりにもかかわらず、スタジアム周辺を歩いているだけで、「シンジ! シンジ!」と声を掛けられ、写真撮影を頼まれることも多かった。

 サポーターの背番号「23」ユニフォームの着用率は、他の追随を許さぬほど圧倒的だった。クラブの広報部長にユニフォームの売り上げについて尋ねても「シンジが断トツだ」と明言するほど。サラゴサを訪れて分かったのは、想像以上に香川はクラブの顔としての立場を確固たるものとしていたことだった。

 その後、マジョルカを訪問したのは現地時間25日、リーガ・エスパニョーラ第6節のアトレチコ・マドリード戦(0-2)だった。初先発を飾った久保にはスタジアム全体から温かな声援が送られていた一方、サラゴサよりも遥かに日本人が多数訪れていたものの、久保の背番号「26」を着用したサポーターは、日本人以外でほとんど見かけることがなかった。

 試合前に30分間ほどスタジアム周辺を回ってみたが、久保のユニフォームを着たサポーターをようやく1人見つけた。「久保を選んだのは、シンプルに彼がこのクラブのベストプレーヤーだからさ」と語ったビセンテさんに、背番号「26」を全体的に目にしないことについて尋ねると、「認められていないわけでは決してない」と前置きしたうえで、現状の要因に持論を述べた。

サポーターが吐露「タケがどういう人物なのか、皆まだよく分かっていないんだ」

「タケのユニフォームを見ないのには、明確な理由があると思っている。それは、彼が今季終了後にマジョルカを去ることが既定路線だからだ。レアルに戻るか、別のクラブにレンタルされるだろう。あとは、彼の入団会見がなかったというのもある。サポーターはそれをきっかけに購入したりするからね」

 久保は今夏レアル・マドリードからマジョルカに期限付き移籍を果たしたが、買取りオプションが付いていないことから今季限りでの退団が濃厚であること、さらに入団会見が行われていないことで、久保のキャラクターを認知してもらう機会を逸していたことも挙げていた。ビセンテさんの隣にいた友人も「タケがどういう人物なのか、皆まだよく分かっていないんだ」と首を横に振っていた。

 香川はマンチェスター・ユナイテッドというメガクラブの看板、名門ドルトムントのスーパースターとしての肩書きに加え、加入後には即主力としてチームをけん引する存在となっている。そして、入団会見では1万人近くを動員し、広報部長は「このクラブの規模では異例と言える。サポーターの心を掴んだ」と振り返っていた。

 一方、18歳の久保はスーパーサブから先発の座を目指す最中にあり、今後欧州でキャリアの実績を積んでいくルーキーの立場にあることも、現地における両者の温度差として反映されているのは確かだろう。しかし、久保がマジョルカで結果を出していくことで、その“ギャップ”は着実に縮まっていくはずだ。

Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku

最終更新:9/28(土) 14:40
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