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訪日外国人観光客4000万人へ!変わるインバウンド観光客の情報収集

9/30(月) 22:17配信

ロケーションジャパン

かつては、インバウンド観光客のゴールデンルートと言えば「東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪」とされてきたが、今はこれまでのルートにはなかった新たな場所を観光ルートに組み込む観光客が増えてきた。その理由の一つと考えられるのが、観光情報を取得する方法が、ガイドブックからSNSに大きくシフトした点が大きい。

今や情報は公式より個人が放送局となって発信する時代になっている。そんな中で、各自治体のPR方法もSNSへと移行した。「インスタ映え」するスポットの情報やインフルエンサーを活用したフォトジェニックな場所や魅力的な体験の情報を提供することで、全世界に向けて日本への観光を呼び掛けている。

自治体のインスタグラムアカウントの中でも、とりわけ多くのフォロワー数をもつ横浜市や外国人観光客が多く訪れる三重県では多言語による発信を行い、外国人に向けた情報発信を強化。タグの外国語対応などを行うことで、日本人のみならず外国人が投稿して情報が広く拡散されていく。

また、外国人の目を意識し、風景写真などもビビットな画像を多用することで効果が出ている事例もある。例えば、兵庫県朝来市では、雲海に浮かび上がる竹田城が「日本のマチュピチュ」と呼ばれ、アジアや欧米からの観光客が一気に増加した。
香川県三豊市でも、夕暮れ時の父母ヶ浜が水面が鏡面のようになり美しい光景を作り出すことで「日本のウユニ塩湖」として話題になった。

映画やドラマを日本で撮影してもらい「ロケ地」として海外にアピールする施策をとっているのは、北海道や佐賀県などだ。
タイやフィリピン、中国、台湾の作品が次々と撮影されており、「主人公がいたあの場所に行きたい」と外国のファンが地元を訪れる機会も増えている。佐賀県では、平成28年度からフィリピン映画等のロケ誘致に積極的に取り組み、3作品目となる映画『Between Maybes』の撮影が県内で行われた。またインドのコメディー映画『SUMO 相撲』が富山市宮尾の県民会館分館内山邸でクランクイン。4年ぶりとなるインド映画の撮影だった。

 作品が海外で放送されることによって人気が出た地域もある。
岩手県久慈市では、連続テレビ小説『あまちゃん』の放送によって久慈を始め東北の魅力が世界に知られ、「あまちゃんの舞台に行きたい!」という外国人観光客が急増。海女文化などを目当てに訪日する外国人観光客が後を絶たない。

 ロケ地や聖地として海外へのアピールが強いのはやはり『ジャパニメーション』だ。
『新世紀エヴァンゲリオン』のモデル地である神奈川県箱根町をはじめ、『君の名は。』『Free!』『美少女戦士セーラームーン』『SLAM DUNK』などの舞台にも多くの外国人ファンが訪れている。
 箱根町では、作品から現地を訪れた外国人が箱根の自然や日本文化の素晴らしさに目覚めて情報を発信し、その魅力に引かれてやってくる外国人観光客も増えるなどの逆現象も起きている。

 東京オリンピック・パラリンピックが行われる2020年。政府は訪日外国人観光客4,000万人を目標に掲げ、インバウンド誘致をさらに強化中だ。その先駆けとなる2019年の現在はラグビーW杯が日本で開催され、早くも各地域が用意したインバウンド効果が見えてきている。

 大阪では旅行者の利便性向上のためのWi-Fiを増強、公共機関への多国語対応、公衆トイレの整備促進などに加え、観光案内などにも力を入れている。愛知県名古屋市では外国人観光客向けの無料案内所「ナイトタイムコンシェルジュデスク」の設置、英語を話せるスタッフの増員、英語版の観光マップにはキャッシュレス決済の有無などまで情報を盛り込んでいる。ほか、各地域も万全の対応で外国人観光客を「おもてなし」中だ。

 今回のラグビーW杯は、今までは主流ではなかった「スポーツ」「レジャー」を目的とした観光や、ラクビー強豪国である英国・オーストラリア・ニュージーランドなどの国から観光客増という点でも効果があった。全く新しい層の観光客を得る重要な機会となっているのだ。それ故に、訪日するメディアへのアピールも重要な課題となっている。日本政府観光局(JNTO)はこれらの“訪日無関心層“に向け、ラクビーやオリンピックを入り口に間口を広げていく方針をとっている。

 各地域がアンテナを張り巡らせ、あらゆる方法でインバウンド観光客への「おもてなし」を実施中だ。2020年に向けて、その動きはさらに大きくなるだろう。

(ロケーションジャパン)

最終更新:10/1(火) 10:17
ロケーションジャパン

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