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世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.18 「“気にしない”はチャンピオンの資質?」

10/1(火) 17:30配信

WEBヤングマシン

図太さもなければレーシングライダーはやっていられない

1993年、デビューイヤーにいきなり世界GP250チャンピオンを獲得した原田哲也さん。虎視眈々とチャンスを狙い、ここぞという時に勝負を仕掛ける鋭い走りから「クールデビル」と呼ばれ、たびたび上位争いを繰り広げた。’02年に現役を引退し、今はツーリングやオフロードラン、ホビーレースなど幅広くバイクを楽しんでいる。そんな原田さんのWEBヤングマシン連載は、バイクやレースに関するあれこれを大いに語るWEBコラム。第18回目はマルケスの強さに迫ったあと、懐かしいお宝を次々に発掘します。

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TEXT:Go TAKAHASHI

かつて1度だけ、表彰台でブーイングされた……らしい

ちょっと前の話になりますが、MotoGP第13戦サンマリノGP、マルク・マルケス(レプソルホンダチーム)とファビオ・クアルタラロ(ペトロナスヤマハSRT)の最終ラップバトルは見応えがありましたね!

ただ、クアルタラロのストレートでの抜かれっぷりはちょっとかわいそう……。ミザノサーキットのストレートの短さを知っているだけに、見ていて辛かったです。

マルケスもギリギリのスゴい走りでしたが、優勝を決めた後のブーイングもスゴかった(笑)。サンマリノGPの風物詩みたいになってますね。

僕は現役時代、ほとんどブーイングされたことがありません。1度だけ、’98年マレーシアGPの最終ラップで、当時250ccクラス参戦初年度だったバレンティーノ・ロッシを転ばせてしまった、と見えたようで、表彰台でブーイングされた……らしいです。

実際は彼が単独でハイサイドを食らっただけだったのですが、角度によってはインを突いた僕がロッシと接触したように見えたんだとか。

それで優勝した僕にブーイングが浴びせられた……らしいのですが、どう思ったかも何も、気付きませんでした。後でジャーナリストの遠藤智さんに「哲っちゃん、ブーイングすごかったね」と言われて、「あ、そうだったの?」と(笑)。

そんな’98年マレーシアGP以外でも、もしかしたらブーイングやヤジや批判があったのかもしれませんが、僕はそういうのを気にするタイプじゃないし、そもそも外国の人たちが何を言ってるか分かんない(笑)。何も気にせず走りに集中できたので、かえってよかったのかな、と思ってます。マルケスもそうだけど、図太いところがないとレーシングライダーなんてやっていられませんしね。

僕自身は、愛されキャラでも憎まれキャラでもなかったとので、ひどく何かを言われるようなことはありませんでした。それに、自分で言うのは気が引けますが、玄人受けするレース展開が多かったように思います。それが僕の特徴になっていた。だから割と許されることも多かったのかな、と(笑)。

目の肥えたレースファンは、そういうライダーを好みますよね。日本人で言えば、「ニトロ・ノリ」と呼ばれて各国に熱狂的なファンがいた芳賀紀行くんがいい例です。僕とはタイプが違ってずっとアグレッシブだったけど、玄人受けする特徴的なライディングでファンを魅了していました。

……まあ、それにしてもサンマリノGPでのマルケスに対するブーイングはちょっとひどいですけどね(笑)。ロッシファンが面白がってやっているようですが、ロッシもそろそろ止めたらいいんじゃないかな……。

ただ、そんなことにメゲるマルケスではありません。ここまでの14戦で、完走している13レースは優勝が8回、2位が5回。つまり悪くても2位。凄まじいリザルトです。

彼の長所は、欲だと思います。「勝ちたい」という欲が、誰よりも強い。ただ、この欲がくせ者で、欲をかきすぎるとろくなことになりません。「あとちょっと」という欲張りが、転倒やトラブルを招くんです。僕も現役時代には何度も痛い目に遭いました。

欲を原動力にしながら、欲張りすぎずにガマンすることが大事なんですが、今年のマルケスはガマンしているようにも見えないんですよね。マシンとのペアリングも含めて、本当に絶好調なんだろうな、と思います。

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最終更新:10/1(火) 17:30
WEBヤングマシン

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