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バラが食べられる?花業界で起きる「大変革」

10/3(木) 5:00配信

東洋経済オンライン

 市場が縮小し続ける花卉(かき)業界に、新風が吹き始めている。その新しい風の担い手は、それまで花卉業界とはまったく無縁だった異業種の若者たちだ。

【写真】ROSE LABOってどんな商品を売っているの?

 「地方の人でも、栽培時の様子を動画で配信するなど、1次産業のアナログな部分とテクノロジーを組み合わせれば成長していける。花市場が縮小しているのは事実だが、どの国でも花業界がなくなることはない」

 そう言って笑顔を見せるのは、埼玉県深谷市で「食べられるバラ(エディブルフラワー)」を生産・販売する「ROSE LABO」の社長、田中綾華だ。

■バラ農家へいきなり弟子入り

 田中はまだ26歳。私立大学に在学中、自分の進路で思い悩んでいたときに、母親から「食べられるバラがある」という話をたまたま聞き、一念発起して大学を中退。ネットで探して見つけた大阪のバラ農家へいきなり弟子入りした。

 家族経営だったバラ農家に泊まり込み、2年間修業。バラ栽培の難しさを体感した。同時に「バラ農家は作るプロだが、売るプロではない」という農家のプライドが弱点になっていると感じてもいた。

 「このままではどんなにいいバラを作っても、可能性は終わってしまう。SNSで発信するなど、消費者のニーズをとらえられれば、もっと共感は得られるはず」

 田中が着目したのは、バラの中に美容や健康にいい成分が含まれているという点だ。「花が食べられる」ということも一般の人にはあまり知られていない。そこで2015年9月、思い切って起業することにした。

 起業の地として選んだのは、埼玉県深谷市。農作物の栽培管理などを行う際には、「積算温度」という指標を参考にする。これは毎日の平均気温を足していった値で、バラの場合、剪定日から1000度に達した日に花を咲かせるという。

 平均気温が高いほど積算温度に早く到達するため、田中が目をつけたのが、「日本一暑い町」として知られる熊谷市に隣接し、ユリやチューリップ栽培など「花の町」としても有名な深谷市だった。

 「天候や栽培の環境、行政のサポートがよかった。何より、私のような新規就農者を親切に受け入れてくれた」

 だが、現実はそれほど甘くない。1年目は、肥料のバランスをとることに失敗し、栽培したバラを全部枯らせてしまった。

■夜は居酒屋のアルバイト

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最終更新:10/3(木) 5:00
東洋経済オンライン

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