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中国のスパイ、次々と米国で逮捕─まるで映画のようなその手口

10/6(日) 8:05配信

クーリエ・ジャポン

中国のスパイ工作の手口とは

中国のスパイ行為がまた白日の下に晒されている。

米TV「CBSニュース」は、「米司法省とFBI(米連邦捜査局)は9月30日、アメリカ市民が中華人民共和国のためにスパイ行為をしたとして逮捕したと発表した。刑事告発状によれば、アメリカ市民のエドワード・ポングは27日に拘束され、外国政府の違法なエージェントとして活動していたとして起訴された」と報じた。

同記事は連邦検事のコメントで、「この起訴は、機密である安全保障関連の情報をアメリカから中国に持ち出すためにアメリカ市民を利用した事件である」と伝えている。

告発状には、カリフォルニア州在住の56歳であるポングが「中国の情報機関である国家安全部(MSS)」のために動いていたとし、「中国の諜報員がアメリカ国内に足を踏み入れることなく」スパイ工作を行なっている実態を明らかにしていると指摘している。

米ニュースサイト「デイリービースト」によれば、ポングの手口は「dead drop(デッド・ドロップ)」というもので、カリフォルニア州とジョージア州で少なくとも過去3年で5度にわたり、この手法で情報を渡していたと書く。このデッド・ドロップとはスパイ用語で、秘密の場所に(書類などの)情報や(USBデバイスなどの)アイテムを置いて相手に渡す手法のことを指す。

米紙「ワシントンポスト」は、このケースでは「名称不明のアメリカ側の二重スパイの協力で、アメリカ政府が事前に承諾した機密情報入りのSDカードをカリフォルニアとジョージアのホテルに置いた」という。

デッド・トロップを駆使し、「ポングは(アメリカ側のスパイによって)ホテルのフロントに預けられたSDカード入りの封筒を受け取った。受け取りに成功した別の4回のケースでは、ポングはホテルの部屋を予約し、部屋の鍵をどこかで情報源(スパイ)が受け取れるようにした。ポングは部屋に現金入りの封筒を隠し置いていて、情報源はその現金を受け取る。そうしてポングは安全なSDカードを情報源から受け取るなどした」と、告発状は解説する。

さらに「すべてのケースで、ポングはSDカードをホテルの部屋で受け取るとすぐに中国の北京に飛んだ。ポングはMSSの諜報員から暗号化された言葉で、いつどこでデッド・ドロップを行うのか、SDカードにいくらを支払うのか、そしていつ中国に運ぶのかを指示されていた」と続けた。

そしてFBIは、ポングがホテルの部屋でデッド・ドロップを行なっている様子をビデオで撮り、今回、公開している。

告発状によると、司法省は「このケースで起訴された行為は、古いスパイ手口と近代的なテクノロジーを合わせたものだった」と分析している。

最近、こうした中国によるスパイ行為が暴露されるケースは後を絶たない。地元サンフランシスコのTV局「CBS」によれば、「今回のケースはここ数ヵ月で発覚した4つめの中国人によるスパイ工作だ。いかに中国人が積極的になっており、私たちがいかに対抗しようとしているのかを示している」という。

ポングはサンフランシスコでツアーガイドとして働いており、妻と2人の子供がいた。妻は地元のCBSに「夫がそんなことに関与していたとは思いもよらなかった」と語っているという。

中国によるスパイ工作はこのように、おそらくこの瞬間も世界中で行われているはずだ。

Toshihiro Yamada

最終更新:10/6(日) 8:05
クーリエ・ジャポン

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