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終活で「住まいの見直し」を検討すべき理由 半数が家に不満…なのに住み替えない実態

10/6(日) 8:10配信

オトナンサー

「終活」と聞くと、「相続」「保険」「葬儀」「墓」「物品の整理(断捨離)」「終末医療に関すること」を思い浮かべる人が多いことでしょう。確かに、これらの準備は残される子どもや親族を混乱させないために重要です。しかし、私は一つ忘れられている項目があるように感じます。それは「住まいの見直し」です。これは高齢者だけでなく、高齢の親を持つ現役世代の人たちにも考えてほしい問題です。

半数近くは「住まいに不満」

 2017年の「高齢社会白書」によれば、高齢者の事故のうち約77%が家の中で起きています。段差につまずいたり、足を滑らせたりして転倒するケース、冬場に暖かい部屋から寒いトイレや浴室などに行った際、急な温度変化から心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすケースなどが典型的で、死亡するケースを含めて重症化が進んでいるといわれます。

 これは、若い頃には何の問題もなかった家が、高齢者にとってはリスクに変わってしまうことを意味しています。若い頃は、家の中の段差も階段の上り下りも気になりませんし、温度差があっても我慢すればよいだけです。部屋数の多い家の掃除も庭の手入れも少し面倒なくらいで、頑張れば問題ありません。ところが、年を取るに従って、これら全てが事故を誘発するリスクになっていくわけです。不慮の事故が起こってしまえば、せっかくの健康習慣もある日突然、水の泡になってしまうかもしれません。

 2015年に私たち「老いの工学研究所」が行った調査で、高齢者の半数近くは住まいに不満を持っていることが分かりました。グラフの点線を見ると分かるように、70歳代後半でも9割近くの人が健康(要介護状態ではない)であるのに、住み替えの行動を起こさず、不満のある家に我慢して住み続けているというのが実態です。なお、85歳以上で家への不満を持つ人の割合が少ないのは、住み替えを済ませたか、施設などに移ったかであると考えられます。

 この調査では、住まいへの不満の中身も聞いていますが、不満は家の中に関することだけではありません。「周辺に坂道が多い」「スーパーなどが近くになく、食料品・日用品の買い物が不便」など、環境や立地に対する不満の他、「友人・知人が近くにいない」「1人のときに体調が悪化するのが不安」「ちょっとした手伝いをしてくれる人がいなくて困る」といった、コミュニティーのなさや孤独・孤立への不安も多くありました。

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最終更新:10/6(日) 12:50
オトナンサー

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