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仲野太賀、熱望してかなった“重要な役”に「強烈な縁だなとびっくりしました」<いだてん>

10/6(日) 20:30配信

ザテレビジョン

日本とオリンピックの歴史を描く大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。目下、1940年の“幻の東京オリンピック”にまつわる物語を展開する本作に、仲野太賀が出演している。

【写真を見る】四三と勝は、「ハリマヤ製作所」で共に過ごし、オリンピックに情熱を傾ける

仲野が演じているのは、本作の第1部の主人公で、日本人初のオリンピアン・金栗四三の弟子である小松勝。四三が住んでいた熊本の池部家をふらりと訪ねてきたこの青年は、四三と共に上京し、オリンピック選手を目指すように。そして東京では、増野(柄本佑)の娘で、「ハリマヤ製作所」で働いているりく(杉咲花)と仲を深める。りくと小松勝は結婚するものの、2人の将来に戦争という暗雲が立ち込める。

小松勝を演じる仲野は、「いだてん」への出演のために情熱を傾け、役を勝ち取ったそう。時代と時代をつなぐ要となっていくキーパーソン・小松勝を演じる仲野に、役への思いや、今後の見どころなどを語ってもらった。

■ 事務所の方にはスケジュールだけ開けておいてもらってました

――今回の出演に、かなり強い思いがあるとお伺いしました。

製作発表がされた時、「これはどうしても出たい。出なければ!」って変な汗が出てきて(笑)。どうやったら参加できるんだろうと、考えた結果方々で「いだてんに出演したい」と言いまくってました。それでも実際にオファーを頂くまでは時間がかかりましたね。願えば叶うと信じて、先も見えないまま、事務所の方には「絶対にオファーがくるので!」と言って、スケジュールだけ開けておいてもらってました。

そしたら本当にお話がきて!こんなにも自分が願ったことがかなうってなかったので、本当にうれしかったです。

小松勝は、金栗四三と、田畑政治と、そして落語パートをつなぐ役。出演するシーンは多くないんですが、台本を読んで重要な役だと感じました。

第1回からスタッフさんとキャストの皆さんが物語を進めてきて、僕の演じる小松勝がその物語と物語を、時代と時代をつなぐと考えたら、下手なことはできないと思いました。

――なぜ、そこまで「いだてん」に出たいという思いが強かったんでしょうか。

僕は元から、宮藤さんの作品が大好きでファンなんです。もちろん、(連続テレビ小説)「あまちゃん」(2013年)も見ていて、そのチームの方も入って大河ドラマを、しかも題材はオリンピックなんて、絶対に面白いに決まってる! …と、それにつきますね。「これは出なきゃ」という気持ちでした。

――美川役の勝地涼さんが、太賀さんとお二人で「平成中村座」を見に行って、勘九郎さん七之助さんと共演したいと、お二人で誓ったことをインタビューでおっしゃっていました。今回の太賀さんの役柄は、まさにそのお二人との共演シーンがありますね。

そうなんですよ。その縁も本当に信じられないくらいすごくて。まず、なぜ「平成中村座」に行けたかというと、勝地さんと僕が兄弟役で、NHK名古屋放送局でドラマ(「1942年のプレイボール」2017年、NHK総合)を撮っていたんです。

それで、ちょうど名古屋で「平成中村座」をやっていて、勘九郎さん、七之助さんと交流のある勝地さんが誘ってくださって。僕としては、中村座も見たことがなかったので、すごく見たかったですし、「勘九郎さんといえば『いだてん』!」という思いもあって、興奮を抱えながら見に行きました。

そして出演が決まり、脚本をいただいたら、勘九郎さんと勝地さんと、僕の3人のシーンがあって、さらに七之助さんともご一緒できて、強烈な縁だなとびっくりしました。

しかも、「1942年のプレイボール」の監督をされていた桑野(智宏)さんが、僕と勘九郎さんと勝地さんが共演する「ニュー美川」のシーンを演出されていて!

きっと演出の方は「このシーンがやりたい」と選べないと思うので、すごく縁があったんだと思いました。

■ 走っていくたびに、街の風景だったり、情勢がどんどん変わっていくんですね

――弟子として、四三と一緒に走るシーンでの思い出や、演じる上で意識したことはありましたか?

金栗先生と一緒に走っているシーンはたくさんあるんですけど、走っていくたびに、街の風景だったり、情勢がどんどん変わっていくんですね。

オリンピックのムードが近くなってきたら街もにぎわって、戦争が近づくにつれ、兵隊さんが増えたり、街がどんどん変わっていて。

でも、金栗四三さんと小松勝の中にあるものは変わってないんです。ただひたすらにオリンピックを目指して、オリンピックで金メダルを獲る、そこはゆるぎない意思だと思います。

もちろん、戦争の景色だったりは目に映っていますが、今までやってきたこと、積み上げてきたことを思うと、「絶対、絶対(オリンピックに)行く」という、信じる気持ちの方が強い気がしていて、それが表現できればいいなと思いました。真っすぐ、真っすぐにという感じを。

――走りの指導を受けることは、小松勝にとってすごく幸せなことだったんでしょうね。

そうですね。とはいえ小松勝も、憧れの先輩を前にいろいろ指導してもらって浮かれてるような人でもないんですね。最初の出会いでは憧れや、大尊敬が強いと思いますが、ビシビシ鍛えられていく中で、同じランナーとして、金栗先生にも負けたくない気持ちが小松勝にも出てきたように感じます。

だから、伴走するシーンでは、先生に先を行かれていたら、必死で追いかけて、追い越して、また先生が追い越して…という、その追い越し追い越されるせめぎ合いが、小松勝と金栗四三さんにとっての楽しみでもあり、師弟の形のような気がしますね。

――小松勝もひたすらに真っすぐな人物で、その辺りは四三と似ているところがあったんでしょうか。

そうですね。第2の「いだてん」じゃないですけど、そう感じられるような、昔の金栗さんを感じさせるような、何かがあればいいなとは思ってます。

――主演としての中村勘九郎さんの印象はいかがですか?

撮影現場に勘九郎さんのホームが完璧にできてるなっていう感じがしました。勘九郎さんが、家族みたいにスタッフさんたちに接しているので、「これが大河ドラマの主演をやる人だ」と、かっこいいなと思いながら見ています。

勘九郎さんが現場に入るだけで、空気がふわって明るくなるんですよね。その存在感がとっても素敵で。一番大変だと思うんですけど、僕に対しても、すごくフラットに接してくださって、本当に優しいんですよ。

それに、勘九郎さんは方言の指導がいらないくらい、完璧に熊本弁をマスターされていて、僕が熊本弁のアドリブに苦戦していると、勘九郎さんが率先してアドリブを入れてくださるんです。とにかく勘九郎さんはリードしてくれますね。めちゃくちゃかっこいいです。

■ …きっと、りくちゃんのこと、ずっと考えてたんですよね

――りくにプロポーズするシーンの撮影はいかがでしたか?

小松勝としては、オリンピックが中止になって戦争が近づいてきたので、東京に残る意味がないんですね。

熊本に帰った方がいいと金栗先生にも言われるけど、もう一つの心残りだったのがりくちゃんの存在で。多分、小松勝が金栗先生といない時って、結構りくちゃんとの時間が多かったと思うんです。その時間の景色を思い浮かべながら走っていたら、りくちゃんが後ろから現れてきた感じで…きっと、りくちゃんのこと、ずっと考えてたんですよね。

そのタイミングで現れてきたので、「今、思いを伝えないと! 何か繋ぎ留めないと!」という思いが、あの告白の形になったのかなと思います。

大声を出して芝居をしたんですけど、杉咲さんにはすごい無視されました(笑)。一度も振り向いてくれなくて。そういうシーンなんですけど、本当に一回も目が合わなかったです。

――りくと小松勝が無事に結ばれた中、戦争が二人の間に影を落とします。りくの父・増野と小松勝は、そのことで衝突するシーンがありますよね。

僕がこんなこと言っていいのか分からないですけど、素晴らしかったです。

僕(小松勝)が戦争に行くことが決まって、重たい雰囲気がある中、「歌いましょう!」とか言って、何とか明るくする、そしたらガラガラと入ってくるのが増野さんで、その瞬間に空気がバチンと変わるんです。本番では、ものすごい迫力でした。

その迫力って何なんだろうと考えると、やっぱり子を思う父の姿だからなのかなと。「なんで約束を守ってくれなかったんだ」というせりふがあったんですけど、関東大震災があって、シマさんが行方不明になって、相当大変な思いでりくちゃんを育てた父親の姿というか、それが目の前で伝わってきました。

僕もどんどん感情があふれてきて、佑さんのすごみに一気に引っ張られましたね。実感としては、とってもいいシーンになったんじゃないかなと思ってます。

オリンピックを目指していた青年が戦争に行って、それによってオリンピックがなくなっちゃって、愛する人とも引き離されるという、ものすごく悲劇にも関わらず、その場にいる全員で「バンザーイ、バンザーイ」って言っていることが、とても皮肉なシーンだなとも思います。

その時も思ったんですけど、ふと見渡したときに、素晴らしいキャストしかいなくて、勘九郎さん初め、綾瀬(はるか)さんだったり、柄本佑さん、三宅弘城さん、杉咲(花)さんも。

どこをとっても素晴らしくて、そういうキャストの方々が重層的に重なって作り上げたシーンは、いいものになってるんじゃないかなと思いますし、自分も追いついていかなきゃなという思いでやってました。

第38回のシーンは、なんかこう、震えるものがありましたね。

■ 満州での3人だけの空間は、すごく濃密で、ぜいたくですよね

――金栗先生の元を離れて、美濃部孝蔵(森山未來)と三遊亭圓生(七之助)と満州で出会うことになりますが、共演シーンではいかがでしたか?

七之助さんとも、森山未来さんとご一緒できるのも楽しみでした。満州での3人だけの空間は、すごく濃密で、ぜいたくですよね。「いだてん」としても志ん生と圓生と小松が一緒にいるということは、後につながる歴史的瞬間じゃないですか

――特に楽しみなシーンなどはありますか?

理想はあります。酔っぱらうシーンがあるんですけど、マラソンから離れて、東京も離れて、戦争に来て、満州に来て、目まぐるしく小松勝の生活が変わっていった中で、お酒を飲んで酔っぱらった時に、今までにないくらいにしゃべるんですよ。

それまで、めちゃくちゃしゃべるシーンってなくて。でも酔っぱらうシーンがある39回ではとてもしゃべるので、人となりが見えてくるシーンなんです。そこで、金栗先生を感じさせられたらなと思ってますね。

――今回で大河出演は5作目。重要な役を演じることに、何かご自身で思うことや、これまでとの変化を感じる部分はありますか?

これ面白い話でもなんでもないんですけど、ずっと憧れていることがあるんです。大河ドラマと“朝ドラ”って、出演者発表があるじゃないですか。それで発表されたいっていうことだったんですよね。

今まで何度か出ている中で、もちろん、いい役もあったんですけど、役者としての知名度も低いですし、さらっと普通に登場してくるだけで、発表とかなかったんですよ。

それで、その壇上に出演者たちが上がって、主役の方が真ん中に立って、脇でいろんな人が立ってる、あの発表にいつか出たいと思ってたんです。

「いだてん」の発表があったときに、「(発表されるなら)絶対これだ!」と思って。そこに立てるかは自分がどこまで(役者としての経験を)積み上げていけるかの問題だと思うので、いろいろと、考えたりしていたんですけど。

今回は正式に発表してもらえると聞いて、「ああ、良かったな」と思いました。6年前だったらそんなこと絶対なかったので、6年間、積み上げてきたものが間違ってなかったのかもしれないなと思いました。それで1つ、夢が叶ったというか、「いだてん」で、正式な発表がしてもらえてうれしかったです。すんごい、マニアックな夢ですけどね(笑)。

次はスーツを着て、金屏風の前ですね! かっこいいじゃないですか。でも、マニアックなので、こんなこと言ってんの僕くらいしかいないと思います。(ザテレビジョン)

最終更新:10/7(月) 17:30
ザテレビジョン

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