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美味しいコーヒーだけでは成り立たない! 喫茶店経営、儲けのカラクリ〈dot.〉

10/10(木) 11:30配信

AERA dot.

 会社からの独立や定年退職後に、コーヒーを淹れることや蕎麦打ちといった趣味を極めるシルバー世代は多い。そしてその流れから、喫茶店や蕎麦屋の開店を目指す人も少なくない。

【<図版>コーヒー専門店の上位80%が駅から500メートル以内に出店】

 確かに、長年のときをかけてコーヒーや蕎麦の味を追求した人が淹れるコーヒーや、打つ蕎麦であれば、最高の1杯が生まれることもあるだろう。しかし、お店の経営となるとそれでは成り立たない。

 例えばコーヒーのプロならば、豆やお湯の分量を調整し、同時に何杯ものコーヒーをハンド・ドリップして、同じ味を出せるようにならないといけない。また、別々の種類のコーヒー豆をそれぞれドリップして、同時に提供するということも当たり前にこなさなければならない。プロならば、当然、お客様のオーダーに適時に対応する必要があるのだ。

 それでも喫茶店経営を夢見るシニアは後を絶たず、飲食店のアドバイスもしている筆者に相談に訪れる人も少なくない。そこで今回は、喫茶店経営の難しさと、儲けのからくりについて紹介したいと思う。

 例えばコンビニ大手、セブン-イレブンでは、年間約11億杯ものコーヒーが売れている。コーヒー豆の手配は、安定供給のためにコーヒー専門商社ではなく大手商社が関与している。全国規模でもあり、そうなると驚くほど仕入れ単価が下がる。しかも、レジで精算時にカップを渡すので、セルフ・サービスだ。最近では、自動販売機タイプのコーヒーマシンも登場している。

 しかし、個人経営のコーヒー店では、そうはいかない。一杯のコーヒーには、大体コーヒー豆10から15グラム前後が使われる。仕入れ量が多ければ、ブレンド・コーヒーなら原価で15円くらいからもある。一杯の単価が482円として、460円前後がコーヒーでの粗利益になり、一見すると高い儲け額と思われる(参考:「小売物価統計調査 小売物価統計調査(動向編)、コーヒー(喫茶店)、2018年12月、特別区部」)が、そんな単純な話ではない。売上金額は「客単価×客数」のため、コーヒーだけでは客数を多く見込めず、売り上げが限られてしまうのだ。どういうことなのか、データを使って具体的に説明しよう。

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最終更新:10/10(木) 11:30
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