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清水が欠いた“一つの選択肢” 「痛いのは浦和だった」を実現できなかった理由は?

10/7(月) 15:01配信

Football ZONE web

前半19分に幸先よく先制するもドウグラスの不用意なミスから同点弾を献上

 清水エスパルスは6日のJ1第28節、浦和レッズとのアウェーゲームに1-2で敗れて残留争いからの脱出に失敗した。試合後、篠田善之監督や選手からは「勝ち点1を持ち帰れなかった」ことへの後悔の言葉があった。

 清水は試合前の時点で浦和から勝ち点3差での上位で迎えた。一方で得失点差は浦和よりマイナスが大きく、敗れれば自動的に順位が逆転される状況でもあった。そうしたなかで首尾よく前半19分にセットプレーのこぼれ球をFWドウグラスが蹴り込んで先制に成功した。

 前半は特に清水の中盤の守備が機能し、篠田監督も「侵入させないことは、中盤の選手や後ろの選手を含めて、完璧ではないですけど、きっちりとやってくれた印象」と話した。しかし、前半アディショナルタイムに前線でドウグラスが不用意なヒールキックでボールロストすると、コンパクトさを保てない陣形のまま浦和に攻撃を許し、MF橋岡大樹のクロスをFW興梠慎三に押し込まれた。それまでの45分間が水泡に帰したような失点は、後半の浦和に勢いを与えてしまった。

 それでも後半の立ち上がりは清水もボールを握れる時間があった。しかし、同17分に体調不十分のドウグラスに代えてFWジュニオール・ドゥトラを投入して4-1-4-1にシステムを変えてから、清水のバランスはギクシャクした。その機微をMF金子翔太はこのように明かす。

「ウチは正直まだ若いチームで、アウェーで引き分けというプランを持ち切れなかった。どうしても、勝ち点3を欲しがってしまった部分があったと思う。引き分けで終わったら、痛いのは浦和だった。少し前掛かりになって、4-1-4-1だとアンカーの脇に広大なスペースが生まれるのを防げなかった。自分たちに、勝ち点1で終われる試合運びがなかった」

篠田監督は「最低勝ち点1を持ち帰るというのは、全員が分かっていました」と話すが…

 システム変更の前は浦和の2シャドーがボールを効果的に受けるのに苦労をしていたが、確かにシステム変更で清水のアンカーの両脇で浦和のシャドーがボールを受ける場面が出るようになった。清水のインサイドハーフは背後に潜り込むシャドーよりも、中盤4人のラインを組むことを意識し過ぎたようにも見えた。それが、金子の話す「前掛かり」にあたるのだろう。逆に、前半よりも深い位置で浦和の攻撃をブロックする場面が増えたことが、試合展開を苦しくした面があった。

 篠田監督は「前半はすごく良くできていたし、狙い通りだったんですけど、後半に1点を取りにいく、もしくは1-1のまま最後にギアを上げようという意思はあった。もちろん、最低勝ち点1を持ち帰るというのは、我々全員が分かっていました」と明かす。しかし、その交代がピッチ内の選手にどのようなメッセージとして伝わったかと言えば、より勝ち点3を奪いにいくという面が強調されたのかもしれない。

 まさに金子が話した「引き分けで終わったら、痛いのは浦和だった」という状況を、清水は生かし切れなかった。前節の湘南ベルマーレ戦で6-0の大勝を収めた勢いはあったものの、どこかで現実を見るようなサッカーに切り替えることができれば、残留と順位を争う浦和をより難しい状況にできたかもしれない。しかし、この敗戦で清水は浦和と順位で逆転されたうえに、16位サガン鳥栖からも勝ち点4差のままになった。

 9位のヴィッセル神戸から鳥栖までが勝ち点4差、さらに17位松本山雅FCも鳥栖と勝ち点3差という、まさにどこが降格してもおかしくないような大混戦になった。そのなかで、清水は逃した順位と勝ち点1が重くのし掛からないように次節以降の戦いに生かさなければいけない。

轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada

最終更新:10/7(月) 15:32
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