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小泉進次郎議員も反対 定期購読の新聞に軽減税率が適用されたカラクリ

10/7(月) 5:58配信

デイリー新潮

本、市販薬は

 さて、なぜ政府側が新聞の軽減税率を認めたかというと、新聞、それと結びついているテレビと、うまくやりたいというのが本音だろう。新聞界と全面対決した場合、政府にプラスは何一つない。政府は新聞1社と向かい合うのは平気だろうが、新聞界全体と対立するとなると厄介に違いない。

 一方、出版界も軽減税率を求めたし、日本チェーンドラッグストア協会も市販薬を対象に含めることを望んだが、認められなかった。学生は憂鬱だろうし、薬に頼っている人は痛いだろう。

 日本新聞協会は10月1日にこうも声明した。

「学習指導要領にうたわれているように、学力の基礎となる読解力の育成にも新聞は生かされています」(日本新聞協会の声明より)

 それは間違いない。とはいえ、学習参考書や辞書は増税される。政府のバランス感覚はどうなっているのか。

 そもそも軽減税率はその有効性に懐疑的な声がある。軽減税率の先進国である欧州でも失敗と指摘する声が少なくない。前述のとおり、軽減税率の適用は、低所得者への配慮だが、高所得者のほうが、消費金額が多いためだ。金を使うほど、軽減税率のメリットを享受しかねない。また、既に混乱が相次いでいるとおり、手続きが面倒で、コストもかかるのだ。

 最後に、なぜ新聞界が軽減税率を望んだかというと、深刻な部数低下を食い止めたいからに違いない。2018年10月時点の一般紙の総部数は3682万3021部。同じくスポーツ紙は307万8555部。合計3990万1576部。2017年10月より合計222万6613部減ってしまった(日本新聞協会調べ)。2000年と比べると、合計1380万7255部も減っている(同)。減った数は発行部数ナンバーワンの読売新聞を軽く超えている。

 新聞の部数低迷の理由は書くまでもない。ネットで情報を得る人が激増したからだ。そのネットの関連費は増税された。

 軽減税率は新聞の危機から救うのか。それとも読者の不信感を招くのか――。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
ライター、エディター。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年10月7日 掲載

新潮社

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最終更新:10/7(月) 5:58
デイリー新潮

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