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次世代リーダーの条件は? 理想はジョンとポールにあり 楠木建・一橋ICS教授に聞く

10/8(火) 8:10配信

NIKKEI STYLE

《連載》ポスト2020のリーダー力(上)

デジタル化、グローバル化が急速に進み、世界は今、予測不能な「VUCA(ブーカ=変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)」時代を迎えている。企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、経営者には何が求められるのか。次代を担うリーダーを輩出するビジネススクールで教壇に立つ研究者や第一線の経営者に聞いた。第1回は一橋大学大学院経営管理研究科(一橋ビジネススクール)国際企業戦略専攻(ICS)の楠木建教授。

■時代が変わっても、リーダーの条件は変わらない

――ビジネスリーダーに求められる条件は変わってきているのでしょうか

「表面的には変わっている点もあると思いますが、優れたリーダーの条件は本当のところでは何も変わってないと思います。例えば、戦前に自らのリーダーシップのスタイルを確立していた経営者、松下幸之助さんが現代に生きていたとして、リーダーとして通用しないかというと、全くそんなことはなく、やはり優れたリーダーであったと思います。反対に現代の優れたリーダーが戦前にいっても、やはり優れたリーダーだろうと思います」

――リーダーに求められる最低限の条件は何だと考えますか。

「『リーダーとは何か』については、人によっていろいろな定義があると思いますが、私はいつも経営者と担当者、すなわちリーダーとフォロワーという軸で考えています。『リーダーは単なる担当者ではない』ということが最低限の条件ですね」

「あなたの仕事はこれで、ここからここまでです。KPI(成果指標)はこれで、いつまでに達成しなさい。それに基づき評価します――。これは担当者の世界ですよね。リーダー、経営者というのは丸ごと全体を相手にするということです。つまり担当がないのが経営でしょうね。私はそれがリーダーだと思います」

「要するにビジネスでいえば、どうやって稼ぐかを考え、人を動かしていく、という人ですね。だから『私のKPIは何でしょうか』という人は、もうその時点でリーダーとしての資質を欠いていると思います」

「もちろんどんな仕事でも、いきなりリーダーを務めることは通常、ありません。どんな仕事も担当者からキャリアが始まりますが、『自分で全部、動かしてみたらどうだろう』という意識を持つ人と、いつまでたっても『私は何をやればいいのでしょうか』という人と分かれます。私の専門は競争戦略なのですが、戦略のストーリーをつくる人がリーダーだと考えます。それに対して、リーダーのつくった戦略ストーリーをフォローしているのが担当者、フォロワーです」

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最終更新:10/8(火) 8:10
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