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2020年までに商用化 タクシー「自動運転」実現のために何が必要か

10/8(火) 11:03配信

文春オンライン

 2018年8月から東京都内で自動運転タクシーの実験が始まった。2020年東京五輪・パラリンピック前の商用化を目指している。

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 次世代自動車産業は、米テスラが「クリーンエネルギーのエコシステム構築」を目指してEV化を促進し、グーグルが「人々が自分のあるべき姿、本当にやりたいことのためにより有意義に時間を過ごせるようなスマートな社会を実現する」という使命感で自動運転化の準備を進めてきたことで大きな進展を見せている。そのなかでウーバーやリフトのようなライドシェア会社が「所有からシェア、そして都市デザインを変革」することを目標にクルマのあり方を変え、そしてアマゾンがアレクサを武器に「ただ話しかけるだけのユーザー・インターフェース」である音声認識AIアシスタントをクルマに搭載する流れを不動のものにした。

自動運転実用化に向けての動き

 グーグルを始めとしたテクノロジー企業が牽引してきた自動運転においては、自動車メーカーが後を追いかける格好になっていたが、2018年1月に米GMが、2019年からの完全自動運転実用化を表明。日本勢もトヨタがソフトバンクとの提携を発表するなど、2020年東京五輪開催前の実用化を目指す動きに拍車がかかっている。

 自動運転実用化が近年スピードアップしてきている理由としては、AIのディープラーニングやセンサー技術、AI用半導体の進化が指摘できる。テクノロジー面だけ見ると、すでに一定条件下での自動運転は実現可能な段階に入っており、国家・企業間の競争のポイントは、どこの国家・企業が社会実装を真っ先に実現できるかに移ってきている。

大きな影響力をもつウーバーやリフト

 自動運転が自動車産業にどのようなインパクトをもたらすのかを読み解くには、EV化、自動車シェアリングなどを含む次世代自動車産業全体を分析することが不可欠だ。まず近未来のモビリティー産業において大きな影響力をもつと考えられているのが、ウーバーやリフトなどのライドシェア会社である。これは、導入当初は必然的にコストが高い自動運転車を自家用として商業化するのは困難と見られている一方、ライドシェア会社であれば多くの利用者を対象として稼働率を高められるので比較的早期に収益化可能であると考えられているからである。また世界的に進展しているシェアリングの動きも、「自動車はシェアして利用するもの」という価値観を急速に定着させてきている。近年、温暖化が進行しているが、特に2018年においては世界的に最高気温の記録を更新した地域が相次いだ。環境保護やサステイナビリティーの動きは、世界的な異常気象により、もはや多くの人達が身体感覚的に必要だと考える水準にまで高まりつつある。エネルギーを化石燃料からクリーンエネルギー中心に移行し、モノの利用ではシェアリングを進めるといった動きは、今後さらに拍車がかかると予想される。

 自動運転化とは、「AIが運転手」ということだが、それを実現するのに「半導体消費」が著しいこと(AI用半導体が生命線となっていること)も特徴だ。したがって、インテルやNVIDIAなどの半導体メーカーもテクノロジー企業側の主要プレイヤーとなっている。そうした一方で、もちろんトヨタ、ホンダ、日産やGM、フォードといった既存の自動車会社も、テクノロジー企業に対抗しようと巻き返しを図っている。特に安全性の徹底という最重要部分を担うのは、やはり日本勢を中心とする自動車メーカーだろう。それでも既得権にはもはやしがみついていられないと社内外で危機感を高め、テクノロジー企業として、そしてモビリティーサービス企業として生まれ変わろうとしている。

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最終更新:10/8(火) 11:03
文春オンライン

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