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ワイルドな難路に「なぜこんなところに……」秘湯中の秘湯が、執念の結晶だった話

10/8(火) 17:03配信

文春オンライン

 石川県・白山市の人々が「あの温泉はすごい場所にあるから」と口を揃える、秘湯中の秘湯がある。白山麓に位置する「 岩間温泉 山崎旅館 」だ。

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 ガードレールのない断崖絶壁の部分も多い難路の先にある、小さな昔ながらの一軒宿。辿り着くまでの難易度が高いだけでなく、雪が積もるため営業は6月から11月までに限定している。

「なぜこんなところに温泉を?」取材をすすめると、とある男性の執念の物語が浮かび上がった。

 源泉から3.5キロもパイプを引き、6キロ超の道をつけてまで温泉宿を作りたかった男性の人生に迫る前に、まず「山崎旅館」への道のりを見ていただこう。

「落石注意」「路肩注意」の看板に緊張感

 9月某日、「文春オンライン」編集部2名は車を走らせ「山崎旅館」へと向かった。ところどころ立てられている「落石注意」「路肩注意」の看板にさっそく緊張感が高まる。

 つづら折りの道路を進んでいくと、じわじわと高度が上がってくる。道のすぐ脇は断崖絶壁だ。

「岩間温泉」の看板が見えてきたが、この地点でまだ2キロほど。

 さらに行くと、ガードレールどころか、路肩に何もない道も増えてくる。

 来た道を遠目で見ると、崖にへばりつくように進んできたことがよくわかる。

大型車とのすれ違いが怖い

 編集部が「山崎旅館」に向かったこの日はちょうど道路の工事があったようで、途中大型車と数回すれちがったが、これがとにかく怖かった。道のところどころにふくらみ(のようなもの)があるので、そこを利用してすれ違うのだが、結構ギリギリに寄せる必要がある。間違いなくテクニックを要する。

注……運転に自信がない方や移動手段のない方は、事前に宿に 送迎 をお願いできます。

いよいよ宿へ到着

 スリルを味わいつつ、「山崎旅館」に到着した。どこか懐かしい感じのする、こぢんまりとした宿だ。

 そして、ついに待望のお風呂へ。

 開放感抜群の露天風呂は混浴。鳥のさえずりが聞こえてきたり、大自然の中で入浴する醍醐味が味わえる。夜に入ったら、こぼれんばかりの星空も見ることができるだろう。

 お湯は加水加温、循環は一切なしの24時間かけ流し。貧血や神経痛、胃腸疾患や皮膚病への効用があるという。無色透明でほぼ無臭のお湯は、飲泉もできるそう。

 近隣集落の一里野からの所要時間は車で約20分。実際来てみて感じるのは、「本当にすごい場所にあるな」ということ。「なぜこんなところに温泉を?」という質問を、3代目館主の山崎太一朗さんにぶつけてみた。

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最終更新:10/11(金) 12:18
文春オンライン

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