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「人生の最期」の7日間に起きる知られざる現象

10/8(火) 8:00配信

東洋経済オンライン

高齢社会がここまで進んだ今、人々の「人生の最期」への関心は、静かに、しかし確実に高まっている。高齢の親と同居する働き盛り世代も多くなり、「臨終」への不安や疑問は、当事者のみならず、その家族にとっても深い関心事になっているからだ。
だが、人の最期の前後には、病気の進行などとは別に、すぐには理解できないような不可思議な現象――「中治り現象」や「お迎え現象」など――もよく起こり、人の死に直面する現実はいつか必ずやってくることを考えれば、そのあたりの疑問はできるだけはっきりさせておいたほうがいい。

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この記事では、死期が近づいた人によく見られる奇妙な現象をはじめ、彼らの心身に生じている実際の変化について、新刊『イラストでわかる ご臨終の不思議な世界』を著した医学博士・志賀貢医師に、その長年にわたる医師人生における経験を基に解説してもらった。

■「中治り現象」という不思議

 人の命が、あと7日、いや5日かもしれないという危篤状態に陥ると、見舞いに来た親族や知人も半ば諦め顔になり、ため息をつくことが多くなるものです。

 しかし、こうした状況で、家族たちをびっくりさせる現象が病棟ではよく起こります。死を間近にした人の「中治(なかなお)り現象」と呼ばれる不思議な回復です。

 意識がもうろうとし、口にいっさい食べ物を入れない状態の患者さんが突然、目をパッチリと開け、「水を飲みたい」「アイスが食べたい」などと訴える。その様子に、世話にあたる病棟スタッフは、これは「中治り現象」かもと気づきます。

 家族も、急に元気になった患者さんの様子に驚きます。ひょっとしたらこのまま回復して元気に暮らせるのではないか、病気が治って自宅に戻れるのではないか、などと期待する家族も少なくありません。

 実は、このように患者さんの容態が一時的に回復する現象は日本だけのことではなく、欧米ではこれを「last rally(ラスト ラリー)」と呼んでいます。日本語に訳すと「最後の回復」とでもいえるでしょうか。

 「ラリー」とは、砂漠を走る車のレースを思い浮かべていただければと思いますが、砂漠の過酷なレースで、困難を乗り越え、奮い立ちながら突っ走る様子を、人の命が燃え尽きる前の奮い立った状態に重ね合わせているのかもしれません。

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最終更新:10/8(火) 13:57
東洋経済オンライン

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