ここから本文です

サブスリー漫画家が噂のナイキの厚底シューズを徹底分析!

10/8(火) 6:00配信

Book Bang

 2017年から世界のマラソンシーンを席巻しているシューズがある。2019年9月15日に開催された、2020年東京オリンピック・男女マラソンの日本代表選手選考のためのMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)でも、男子選手の半分以上がピンクのナイキ、すなわち「ズームX ヴェイパーフライ NEXT%」を履いていた。厚底が特徴的で足裏全体に硬質のカーボンプレートが内蔵されている。日本代表に内定した男女4人中3人の選手がこのシューズを履いていた。また、これまでも同シリーズのシューズでエリウド・キプチョゲ選手は世界記録を、大迫傑選手は日本記録を樹立している。

 そんなナイキの厚底シューズは市民ランナーたちをも強く惹きつける。ヴェイパーフライ NEXT%の秘密とスゴさは何か。単に「厚底でクッション性が高く、かつ軽量」という売り文句の靴は今までもたくさんあった。その疑問に、マンガ家のみやすのんき氏が自らの身体を使って、試行錯誤と考察で迫るのが、『アルティメット フォアフット走法 56歳のサブスリー!  エイジシュートへの挑戦』(実業之日本社刊)だ。

 もともと運動オンチで運動会の駆けっこもビリだったみやす氏は、体重が85kgもあった50歳を過ぎて一念発起、身体の動きを描いてきたマンガ家ならではの、細かすぎるこだわりのランニング研究により1年半でサブスリーを達成。人体の骨格や筋肉の理にかなった正しいフォームこそがランニングエコノミーを最適化し、速く長く楽に走れるということを実証しながら「陸上競技経験者ではない」視線でマラソン本を4冊刊行し、好評を博してきた。本書はみやす氏自身がフォアフット走法にチャレンジしてフルマラソンに挑戦する体験記である。

 ***

――ナイキの厚底シューズは市民ランナーたちを強く惹きつけて品薄状態も長く続いていました。しかし、一方で、このシューズは経験者向けという見方もされていると思います。

 私はシューズについて、走り始めた頃から疑問がありました。「初心者向けのシューズ」は踵が分厚いけれど重たく、それは踵着地を助長し、かえって足を痛めることになるのではないかと。

――しかしフォアフット走法は、著名なマラソンの本でも薦められていません。足裏の着地だけ真似ても故障するとよく言われます。

 実感として、「見よう見まねでフォアフット走法を取り入れたら、足を痛めた」という人もいると思います。これは論文でも検証されています。ヒールストライク(踵着地)走法、フラット(ミッドフット着地)走法、フォアフット走法で、それぞれ脛骨が受ける衝撃が違います。それだけでなく、着地時に受け取る「地面反力」も違うのです。ちなみにミッドフット着地は踵着地に近いことが実証されています。

――今の競技マラソン界は、フォアフット走法が席巻してきています。

 つま先着地は、ケニア人やエチオピア人ランナーなどが、子供の頃から土や草原を裸足で走ることで自然に身につくと言われ、運動靴を履いて舗装路を走る慣習がある日本人が体得するのは難しいだろうとされてきました。しかし、そんなことはないということは、近年の大迫傑選手始め日本のトップランナーの活躍を見ればわかります。つまり、今までフォアフット走法は「正しく」捉えられていなかったのではないでしょうか。

――ナイキの厚底シューズを履けば自然にフォアフット走法は得られるということでしょうか。

 フォアフット走法とは、単に「つま先で着地する」ということではありません。股関節を大きく使った「正しい」フォアフット走法ができていなければ身体が故障することもあります。本書はそこにこだわって多くのページを割いています。知れば知るほど、ナイキの厚底シューズは、フォアフット走法に適した構造となっていることがわかりますが、他のメーカーのシューズも一旦コツを掴めばいとも簡単にフォアフット走法になります。

1/2ページ

最終更新:10/8(火) 14:52
Book Bang

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい