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高価なPCディスプレーが若者に売れている 想像以上のeスポーツ効果

10/8(火) 6:00配信

日経クロストレンド

 eスポーツの認知が進むにつれ、企業によるスポンサードが増えきた。国内のゲーム関連機器メーカーとして、eスポーツが盛り上がる前からスポンサー活動を続けてきたアイ・オー・データ機器の西田谷直弘氏に、eスポーツやプロゲーミングチームとの関わり方について話を聞いた。

【関連画像】ファンミーティングで販売されたディスプレーの一つ、GigaCrystaシリーズの「LCD-GC251UXB」。実勢価格4万2800円前後の製品だ(写真提供:アイ・オー・データ機器)

 アイ・オー・データ機器はPC周辺機器メーカーとして古くから知られる存在だ。近年はプロゲーミングチーム「父ノ背中」に「GigaCrysta」(ギガクリスタ)ブランドのディスプレーを提供するなど、eスポーツとの関わりを深めている。

 父ノ背中の影響もあり、GigaCrystaシリーズの販売は大きく伸びている。2018年7月~19年6月期の販売台数は前年同期比で4倍以上になった。父ノ背中のファンミーティングでもディスプレーを販売し、3万~4万円台のハイエンドモデルをファンがその場で購入していくという。一般のディスプレーは1万~2万円が売れ筋価格帯だが、その2倍近く高価な製品が若年層に売れているのだ。

 「憧れのプレーヤーと同じものが欲しい、例えば有名テニスプレーヤーと同じラケットが欲しいといった感じで売れている。購入したディスプレーに父ノ背中のメンバーがサインを入れて、それを手に一緒に記念撮影をすることもある。自社製品がこうした形で売れる状況は心強い」とアイ・オー・データ機器事業戦略本部販売促進部副部長の西田谷直弘氏は語る。

 憧れのプレーヤーと同じ設定で使いたいというファンも多く、父ノ背中のメンバーが公開しているディスプレーの設定をまねて使う人が多いという。単なるディスプレーではなく、ファンにとって所有すること自体に価値がある製品になっている。

●ゲーマーの熱量とコミュニケーション力に驚かされた

 アイ・オー・データ機器とeスポーツとの関わりは、GigaCrystaシリーズを発売した2014年に遡る。とはいえ当時はまだeスポーツという言葉もなく、PCでゲームをする人が増えてきたことを背景に、ゲームにも向いたマルチに使えるディスプレーという位置付けだった。

 ゲーミングディスプレーとしての色合いが濃くなるのは、スクウェア・エニックスのオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』の推奨ディスプレーになってからだ。それをきっかけにゲームメーカーとのコラボレーションが増えた。

 そして16年12月に行われたファイナルファンタジーXIVのファンフェスティバルに参加したことが、ゲーミング機器市場への本格参入につながった。その会場でゲーマーの熱量のすごさに驚かされたのだという。

 「1つのゲームに全国から大勢の人が集まり、活発なコミュニケーションがあり、みんなで楽しもうとする。その熱量に圧倒された。そのときゲームを通じてユーザーといいつながりが持てるのではないか、コアファンを創出する上で有効ではないかと感じた」(西田谷氏)

 スクウェア・エニックスとユーザーのつながり方にも学ぶところが多かったという。オンラインゲームにもかかわらず、オフラインでもオープンに交流している、ユーザー同士のゲームコミュニティーにも注目した。

 「オンラインゲームというとネガティブなイメージを持つ人もいるが、決してそうではない。コミュニケーションのツールがゲームになったということではないか。C4LAN(ゲームを持ち寄って遊ぶLANパーティー)を見ても、ガチでやっている人ほど、情報交換力やコミュニケーション力が高い」(西田谷氏)

 ファンフェスティバルでは試遊向けにディスプレーを約200台貸し出し、運搬費用節約のためにその場で中古品として販売したところ、瞬く間に100台ほど売れてさらに驚かされたという。これを機に、GigaCrystaシリーズのゲーミングディスプレーの開発と販売に、より力を入れるようになった。eスポーツの波が来たのはそれからだ。

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最終更新:10/8(火) 6:00
日経クロストレンド

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