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新潟発、加湿器で5年連続日本一の会社の正体

10/9(水) 12:21配信

Wedge

 仕事柄、いろいろな家電を目にします。ある時、いろいろな加湿器をチェックしているとき、思わず手が止まりました。そのモデル、設計はごくありきたりのハイブリッドタイプの加湿器で、超高性能というわけではありません。が、作りが良いのです。箪笥でいうと、職人が吟味した桐で作った総桐箪笥とでもいうべきでしょうか? 日本の良き品質がビシッと詰め込まれたモデルでした。

 先日レポートしたVAIOのパソコンの品質(『ソニーから独立した「VAIO」が復活できた本当の理由』)は、コンセプトから求められた高品質。それとは違うのです。この加湿器、品質、特に成型精度がいいのです。

二つの品質

 一口に「品質」と言いますが、大きく2つに分かれます。一つは「設計品質」。こちらはそのコンセプトに合わせた、必要な機能を維持するために必要な品質です。素材、外寸、重さ、他、全部設計で規定されていますので、守らなければ意図した商品にならない品質です。

 もう一つは「製造品質」です。例えば、樹脂を成形した場合、ゆがみ、寸法ズレが生じるときがあります。それを見込んで設計するので、「設計品質」を守れば機能的には問題は発生しません。

 製造品質は、それらのズレをトコトンなくします。想定されたズレどころが、設計値そのものに合わせるということです。要するに精度良くピシッと作るわけです。

 製造品質は「ムダにスゴい」ように思えますが、ちがいます。例をあげます。

 バブル期の自動車が華やかな時代です。新製品の発表時に、広報車が用意されるのですが、そのクルマには特殊なチューナップがされているという話がありました。目が肥えている評論家に満足してもらえないと、いい記事を書いてもらえませんので、いかにもありそうな話です。実際に乗ってみると、市販品と明らかに違う乗り味。その人は広報に「可笑しい」と詰め寄ったそうです。しかし実際は、同じパーツで組み立てられたクルマだったそうです。

 この話のカラクリが「製造精度」。広報が用意したクルマは、設計図通りのパーツのみで組み立てられていたそうです。例えば、四気筒エンジンのピストン。四つのピストンが全く同じ寸法なのと、規定値内ながらちょっと違うのでは、スムーズさが全く異なるのです。このトコトンパーツの精度を上げる方法は、レースなどで用いられる手法です。レースは一点モノで済みますが、量産品はそうは行きません。バラつくのです。同じ製品でも、当たり、外れがあります。

 製造品質は、製品を使ってみて分かる品質で、使い心地に影響を及ぼします。

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最終更新:10/9(水) 12:21
Wedge

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