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「キャッシュフローを得ることが不動産投資を行う目的」は誤り

10/9(水) 14:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

不動産投資や賃貸経営において、目先の利益や断片的な情報に振り回され、適切な投資判断やシミュレーションなどの分析ができない人が失敗するケースが多く見られます。本記事では、ベストプラン株式会社代表取締役・豊田剛士氏の著書、『徹底分析! 不動産投資・賃貸経営の成功戦略』(合同フォレスト)から一部を抜粋・編集し、数字等を分析しながら、不動産投資で行う資産形成を成功させるための基礎知識を解説します。

目的とプロセスを混同してはいけない

不動産投資、賃貸経営は、資産形成のための投資であったり、事業として行うものだと思います。業として行う場合でも、売上を上げるというのは、資産を形成するためのプロセスです。ここで質問です。

(1)資産形成の〝資産〟とは何ですか?

(2)資産の〝単位〟は何ですか?

この問いに答えられる方は、不動産投資を既に始めている方、不動産を販売したり仲介している方でも少ないのではないでしょうか。

不動産投資、賃貸経営をすること自体は目的ではなく、資産を形成するという目標のための手段です。その資産の定義がしっかりとできていないケースが多いのです。例えばマラソンの場合、目標であるゴール地点だけでなくゴールまでの距離、ルート、ペース配分、自分の実力などが分からないのに、いきなりプロのレースに出るようなものです。マラソンのゴール=資産の定義(目標)をしっかりと確認し、資産を殖やすにはどうすれば良いのか、その手段として不動産はなぜ有効なのかということを理解しましょう。

そのためには、財務諸表を知る必要があります。財務諸表と聞くと難しく感じる方がいるかもしれません。ここで紹介する内容は税理士や会計士、経理担当者になるためではなく、あくまで経営者や投資家として必要な財務諸表の読み方、考え方です。専門家になる必要はありませんが、ルールを知らずにプロの世界に飛び込むようなことにならないよう基本を押さえていきましょう。

資産形成を体系的に考えるために必要な財務諸表は、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフローです。個人も法人も基本的に考え方は一緒ですが、分析をするのに法人の指標のほうが応用が利くので、主に個人ではなく法人の考え方で解説していきます(キャッシュフローに関しては法人のキャッシュフロー計算書ではなく、不動産投資に必要なキャッシュフローの考え方です)。所得税に関しては、個人についても記載していますので、あわせてご確認ください。

損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフローが分かることでできる分析があります。また、資産をポートフォリオで考えたり、複数の不動産や多種類の投資を考える時には、資産全体が見えている必要があります。損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフローを押さえて、資産を見える化し、分析できるようになりましょう。

時の経過に対して、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー、貸借対照表(B/S)が何を表しているのかのイメージが[図表1]になります。損益計算書(P/L)、キャッシュフローは、一期間の指標で、収入から支出を引いて資産にプラスされるのかマイナスされるのかというお金の流れです。貸借対照表(B/S)は一時点の指標で、資産の額がいくらあるのかを表しています。その瞬間に財布にいくらあるのかを見るようなものです。

不動産投資を行っていてよく「キャッシュフローを得ることが不動産投資を行う目的」という方がいますが、このように図で見ていただくと、キャッシュフローはあくまで資産の一時点から一時点までの間の殖える(または減る)プロセスであることが分かります。キャッシュフローは目的ではなく、目的達成のためのプロセスであるということを理解しないと、木を見て森を見ずという状況になる場合もあるので注意しましょう。

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最終更新:10/9(水) 14:00
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