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野田秀樹「クイーン」の名作で新作舞台「Q」 松たか子、広瀬すずらが魅せた「極限の愛」〈dot.〉

10/16(水) 16:00配信

AERA dot.

 世界的な英ロックバンド「クイーン」のアルバム「オペラ座の夜」の全12曲に不即不離で触発された劇作家野田秀樹の最新舞台「Q:A Night At The Kabuki」(野田作・演出・出演)が8日夜、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。観客約900人は3時間近い大作に見入り、聞き入った。カーテンコールで、役から日常に戻って来られないような表情の俳優陣に大きな拍手が送られ、感動の渦は長らく鎮まらなかった。英日の才能が切り結び、融合して特筆すべき舞台を生み出し、「極限の愛の姿」を立ち上がらせた。

【写真】こんな広瀬すずはたまらない!

 企画の実現には「オペラ座の夜」の出版権を持つソニー・ミュージックパブリッシングなどの尽力があった。2年ほど前、ソニー側がクイーン側に「アルバム全曲使用による新たな芸術作品の制作」をアイデアとして提示。クイーン側は興味を持ち、ソニー側が野田に打診、野田も引き受けた。クイーン側は野田の構想を聞いて喜んだ。公演に寄せた野田の一文によると、「私は半信半疑ながら、半身半着の汗だくでワークショップを重ねて、私なりに『オペラ座の夜』から得たインスピレイションを文字に起こして」制作を進めたという。

 源平の戦乱の世に、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」とそのシークエル(続編)が織り込まれてゆく。年代の異なる2組のロミオ(上川隆也、志尊淳)とジュリエット(松たか子、広瀬すず)が登場。もし2人が生きていたら……という発想が膨らんだのだ。若者たちの美しい死は、半ば強引に回避され、猶予を与えられる。争いの絶えない対立陣営に引き裂かれた男女の、春の芽吹きのような純白の急速な愛と、秋の実りのような紅紫の円熟した愛が俳優4人によって二重写しになる仕立てだ。

 フレディ・マーキュリーの異国の妖しい花蜜のような歌声、ブライアン・メイの華麗にひずむ暖流のようなギターサウンド、ロジャー・テイラーの尖鋭的でパンキッシュなドラム、ジョン・ディ-コンの恭順で堅実なベース。クイーンの曲を単純に劇伴に使うと、舞台は大抵圧殺される。まして「オペラ座の夜」には名曲「ボヘミアン・ラプソディ」など、多種多様な思い出に彩られた曲たちがひしめく。大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」に感涙した観客も少なくないだろう。舞台化は壮挙だった。しかし、今回の野田の戯曲は、クイーンの曲に、詞に、じっくり耳を傾け、そこから紡ぎ出される物語を掬い上げたせいか、クイーンの曲は野田の戯曲と手をとりあって、結果、前代未聞、視覚化された舞台の「オペラ座の夜」が誕生したのだ。

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最終更新:10/16(水) 16:00
AERA dot.

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