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【BJJ】近藤有己が柔術白帯で10月20日(日)デラヒーバ杯に出場

10/10(木) 12:59配信

ゴング格闘技

2019年10月20日(日)、東京・墨田区総合体育館武道場にて開催されるブラジリアン柔術の「ヒカルド・デラヒーバ杯 2019」のアダルト白帯ミドル級に、元パンクラス三階級王者の近藤有己(パンクラスイズム横浜)が出場することがわかった。近藤は本名の近藤有(たもつ)でエントリーする。

【写真】2019年6月に郷野聡寛と13年ぶり3度目の対戦に臨み、勝利した近藤

1975年生まれの近藤は、現在44歳。高校時代に少林寺拳法を6年学んだ後に、パンクラスに入門。1996年の伊藤崇文戦でプロデビューを果たし、総合格闘技60勝35敗9分。これまでにミドル級とライトヘビー級と無差別級でパンクラスのベルトを巻き、2019年5月の前戦では郷野聡寛に判定勝ち。MMAでも現役選手として活躍中だ。

柔術の練習を再び定期的に行うようになったのはいつ頃から? という問いに近藤は、「たしか昨年の8月くらいからだったかと思います。パンクラスイズム横浜で週2回ほど柔術のクラスに出るようになりました。試合が決まると、さらにプラス2日ほど柔術のスパーリングに行くようになりました」と答えている。

2018年8月、それは近藤が11年ぶりに一本負けを喫した夏だった。ONEでの試合をとても悔しがっていた──と周囲が語る通り、近藤は2018年7月、ONE Championshipでヘンゾ・グレイシーと対戦し、2R1分40秒、リアネイキドチョークでタップを奪われている。

サークルケージでのヘンゾ戦で、いつものように背筋を立てたサウスポー構えから、右ジャブ、左インローを当てていった近藤は、序盤のヘンゾの右を振ってからの上体への組み付きに対し、右で脇を差し、左手でアゴを押して剥がすなど、断ち切ることに成功していた。

しかし2R、ちょうど1分過ぎ。近藤がヘンゾを金網に詰めるなど圧力を強めるなか、ヘンゾは意を決したように遠間からシングルレッグ(片足タックル)へ。そこにスイッチを合わせようとした近藤だが、ヘンゾはスタンドでバックに回り右足をかけて引き込み。背後からその右足を近藤の左足のヒザ裏に当てて固定し、パウンドを入れながら、たすきがけで近藤の左肩をあご上から抱き、最後は手の平を合わせたパームトゥパームで絞り、タップを奪った。

ベーシックながらヘンゾの巧みな柔術のプロセスが“レジェンド対決”をフィニッシュに導いた試合だった。

郷野戦同様にジャブ&ローで左の蹴りをコツコツ当てるなど、中盤から徐々に圧力をかけていたのは近藤だったが、その打撃のプレッシャーを跳ね除け、危険な足もとへのタックルに入ったヘンゾの勇気も光る内容だった。

受けが強いことでも知られる近藤は、これまで対グラップラー相手に、テイクダウンされてもガードポジションを取り続けることなく上半身を立てて“尻で立つ”ことで凌ぎ、スタンドに戻す、現代MMAでは必須の技術となった動きの先駆者だった。

2000年5月に東京ドームで開催された「コロシアム2000」では、柔術世界選手権そしてADCC世界王者のサウロ・ヒベイロを1R 22秒、右ハイキックで沈め、2003年の大晦日には「PRIDE」でBTTのマリオ・スペーヒーにテイクダウンされながらも蹴り上げから立ち、最後はがぶりからの打撃で1R TKO勝利している。

今回、近藤に柔術の練習を「再び」と聞いたのは、そのサウロ・ヒベイロ戦前から近藤はパレストラ東京(現パラエストラ東京)に出稽古し、「少林寺拳法以来」という道衣に袖を通していたからだ。

当時の『ゴング格闘技』で近藤は中井祐樹と対談し、「グラウンドもレスリングも打撃も、結局格闘技というのは自分のバランスをいかに保って、相手のバランスをいかに崩すかっていう、それが本当に基本だと思うんです。自分なりのバランスの取り方というのが、何となくわかってきたんです」と、柔術に取り組む意味を語っていた。

その中井のもとで柔術・総合格闘技を学んだ北岡悟が、2016年に閉鎖が決定した「パンクラス横浜道場」を継ぎ、現在の「パンクラスイズム横浜」を開設。長く同地で「パンクラスism」を率いた近藤は、その両方の名が残るジムで格闘技を続けることが可能となっていた。

その「パンクラスイズム横浜」の柔術クラスを現在は北田俊亮が受け持ち、そこに近藤は一般生徒と混ざって柔術を習っているという。国際武道大柔道部出身で現在はブラジリアン柔術茶帯の北田は言う。

「近藤さんは僕が昔からテレビで見ていた選手で、レジェンドです。そんな選手に僕が教えるなんて、という戸惑いはありましたが、このキャリアで柔術を一から習う姿勢には、僕自身もとても良い刺激を受けましたし、こんな自分に教わりに来てるのだから、僕の知っている技術を伝えたいという気持ちになりました」

ヘンゾ戦後、ノーギのグラップリングではなく、再び道衣を着た練習に定期的に取り組むようになった近藤が、柔術の試合に出場を決めたきっかけは、北田からの勧めによるものだったという。

「同じ大会(ヒカルド・デラヒーバ杯)に出場される北田俊亮選手──いまパンクラスイズム横浜の柔術クラスで先生としていろいろ教わっているのですが──北田選手に声をかけてもらい、出てみようかな、出てみたい! と思いました」

北田はそのいきさつを「せっかく近藤さんが柔術をやっていて、そのままMMAに活かすためだけでは勿体ないので、大会にも出て欲しいと思い、大会出場を勧めました」と、MMAだけではない、近藤の格闘技人生の一部として、柔術の試合に出ることを勧めたことを語る。

10月20日の試合で近藤は、アダルト白帯ミドル級にエントリーする。IBJJF国際ブラジリアン柔術連盟では、柔道の黒帯、プロMMAファイターは白帯での出場がNGだが、JBJJF日本ブラジリアン柔術連盟では出場が許されており(指導者の判断による)、「ヒトはアイダで生きている」という近藤は、同じ初心者としての白帯でのいまだ見ぬ人との、柔術の試合を楽しみにしている。

白帯のあなたも、近藤と対戦するかもしれない「ヒカルド・デラヒーバ杯 2019」エントリーの最終締切は10月10日(木)の23時59分となっている。


◆デラヒーバ杯でアダルト茶帯フェザー級に出場する北田俊亮

「柔術はMMAと並行してやってきました。柔道とはもちろん違いますが、技の種類は柔道より断然多く、間違いなくMMAに活きているので続けています。上手くなればなるほど、体の力を抜いた状態で技に入ることが出来ます。MMAをやる上では欠かせなくなりました。ただ、柔術を指導してるのに、こう言うのもなんですが、自分はMMAの選手なので柔術家には負けたくないですね(笑)」

最終更新:10/10(木) 15:38
ゴング格闘技

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