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ベンツ・ポルシェ…欧州バッテリーEV車、日本に続々上陸

10/10(木) 11:43配信

NIKKEI STYLE

エンジンと電気モーター両方で走るハイブリッド車ではなく、電気モーターだけを搭載する電気自動車(BEV)が欧州メーカーを中心に続々登場している。なぜ各社はこの分野に力を入れるのか。そして日本市場でBEVはどんな役割を示すのか。自動車ジャーナリストの渡辺敏史氏が解説する。

【写真はこちら】ベンツ・ポルシェ…続々と登場するBEVたち

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オリンピックイヤーを前に、自動車業界においてはBEV=バッテリーEV車、すなわち純然たる電気自動車のカテゴリーが盛り上がりをみせています。というのも、ここ何年かでアナウンスされていた海外ブランドのBEVが、相次いで日本市場へ投入されているんですね。

今年に入ってまず日本に上陸したのはジャガーの「I-PACE」(記事「ジャガーEV 俊敏に走る都会派SUV 問題は充電環境」参照)。そして7月に日本仕様が発表されたのはメルセデス・ベンツの「EQC」。間もなく日本発表が見込まれるのがアウディの「e-tron」。これらに加えて9月のIAA=フランクフルト国際モーターショーと相前後して、ポルシェの「タイカン」、VWのBEV向けサブブランドとなる「I.D.」の第1弾などがお披露目となりました。

これらはいずれも欧州ブランドの話ですが、じゃあなんで彼らがこんなにBEVに熱心なのかという疑問が湧いてきます。

これには大きく2つの理由が挙げられます。

■大気汚染解消のシンボルとして

まずひとつは足元の欧州で、厳しい二酸化炭素(CO2)の排出量規制が始まることです。2021年以降は販売された全ての新車の排出量平均を95g/km以下に収めることが求められます。超過分には収益を大きく圧迫する厳しいペナルティーが課せられますから、メーカーとしてはCO2排出量をゼロでカウントしてもらえるEVをできるだけ多く売っておきたい。

「いや、EVに充電する電気を作る過程でCO2がじゃんじゃん出るから、ゼロってことはないでしょう」という話もあるにはあるわけですが、現状そこは不問に付されています。

まあ、ノルウェーのように再生可能エネルギーで電気をほとんど賄えるところや、フランスのように原発での余剰電力を有効活用したいところもあり、電力事情はそれぞれです。加えて欧州の都市圏は、現在、古いディーゼル車の排出物が主因とされる光化学スモッグなどの大気汚染が大きな課題となっています。裏返せばBEVがその問題を解決するシンボリックな存在として注目されやすい環境です。

しかし、それらの事象の中で少し目立たなくなっているだけで、CO2の問題は、この先確実に、今以上に重大かつ喫緊な課題として、採り上げられるときがきます。その際にはBEVも「どのように作られた電気で走っているか」という問題、さらには「製造時や廃棄時のCO2負荷はいかばかりか」という指摘も避けることはできなくなっているでしょう。ちなみに車両生産から使用、廃車までの生涯CO2排出量について、いくつかの自動車メーカーはアカデミアなどと共同で試算したデータを発表していますが、最終的な結論は内燃機優位かBEV優位かで割れています。

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最終更新:10/10(木) 11:43
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