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「週刊朝日」独白は“捏造”なのか 北村滋氏“今年中に日朝首脳会談”発言の波紋

10/10(木) 11:00配信

文春オンライン

 一本の週刊誌記事が、首相官邸をはじめ、日朝交渉にかかわる者たちの間で波紋を呼んでいる。

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〈独白 安倍首相の懐刀 北村滋国家安全保障局長 「早期に日朝首脳会談を平壌で開催へ」〉

 こんなタイトルの記事が10月1日発売の「週刊朝日」に掲載された。

 ことさら目を引いたのは北村氏の締めの発言だ。

〈今年中に安倍総理と金正恩朝鮮労働党委員長の平壌での首脳会談実施を目指しています〉

 政治部記者が言う。

「基本、オフレコ取材しか受けない北村氏がオンでインタビューに応じていることにまず驚きました。しかも『今年中に』『平壌で』と日朝首脳会談の時期と場所にまで踏み込んでいる。外交・安保の司令塔の発言だけに裏取りに走った社もあった。北村氏は警察出身で直前まで内閣情報官を務めたインテリジェンスのプロではあっても外交は素人との懸念がありましたが、早くも稚拙さが露呈したかに思われた」

 ところが当の北村氏は、雑誌の早刷りが出回った途端に火消しに走った。

真っ向から食い違う北村氏と「週刊朝日」の言い分

「北村氏は菅義偉官房長官、杉田和博官房副長官に『インタビューには答えていません』などと弁明しました。杉田氏は発売日の朝、番記者に『政治家があえて期限を区切ることはあっても、役人は口にしない。北村はそんなことは言ってないだろう。週朝にはしかるべき措置をとる』とかばってみせた。期限を区切れば交渉で足元を見られ、不利になりますからね。実際、北村氏は週朝に抗議文を送るとともに、『今後も各社のインタビューを受けるつもりはない』旨を番記者たちに伝えました」(官邸番記者)

 北村氏の言う通りなら、「週刊朝日」がでっち上げた捏造インタビューなのか。だが、更に取材を進めると、どうもそうとも言い切れない。というのも、記事の署名が「今井良」だからだ。

 発売4カ月で3万8000部を売り上げるヒットとなっている『内閣情報調査室』(幻冬舎新書)の著者でもある今井氏。同書の帯に「これは内調について真摯に向き合い綴られた唯一のレポートだ」と絶賛コメントを寄せ、取材にも協力しているのが北村氏だからだ。

 今井氏に聞くも、「コメントは差し控えます」と語るのみ。「週刊朝日」編集部は書面でこう回答した。

「9月6日に北村滋氏に面談で取材した上で記事を掲載いたしました」

 北村氏を直撃すると、

「すでに抗議しました」

――取材を受けたのか?

「応じてないです」

 真っ向から食い違う両者の言い分。日朝交渉の現場でも同様のことが起きないか、今から心配である。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年10月17日号

最終更新:10/10(木) 13:06
文春オンライン

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