ここから本文です

日本人のノーベル賞が「急減する」絶対的理由

10/10(木) 8:00配信

東洋経済オンライン

2019年のノーベル化学賞を吉野彰氏が受賞しました。昨年、医学・生理学賞を受賞した本庶佑氏に続く快挙で、近年は日本人の受賞ラッシュが続いています。しかし、一方で、科学立国の危機を示す数々のデータが明らかになっています。
近著『科学者が消える ノーベル賞が取れなくなる日本』を上梓した岩本宣明氏が、今後のノーベル賞について驚きの未来予測を明らかにします。

この記事の写真を見る

■『Nature』の衝撃

 これまでの日本人ノーベル賞受賞者は24人。2017年に文学賞を受賞した長崎出身の英国人作家カズオ・イシグロさんら外国籍の日本出身者を含めると27人で、世界第7位。欧米諸国以外の国々の中では首位独走です。

 今世紀の自然科学部門に限ると、日本人受賞者は15人。アメリカ(68人)、イギリス(16人)に次ぐ第3位で、堂々のノーベル賞受賞大国です。

 2008年に物理学賞を受賞したヨウイチロウ・ナンブ(南部陽一郎)さんと2014年に物理学賞を受賞したシュウジ・ナカムラ(中村修二)さんは米国籍のためアメリカにカウントしていますから、この2人を日本人受賞者に加えると、イギリスを抜いて2位です。授賞理由の研究はお二人とも国籍変更前の実績ですから、我田引水ではありません。

 しかし、残念なことに、この状況が将来にわたって続いていく可能性はとても低いと言わざるをえません。ノーベル賞の受賞者は高齢化の傾向があり、受賞者が授賞理由となった研究を発表した年と受賞した年には、概ね25年のタイムラグがありますが、近年、さまざまなデータが日本の科学技術力の劣化を示しているからです。

 つまり、今世紀に入っての日本人受賞ラッシュは過去の遺産の賜物なのです。

 日本の科学技術力の劣化は数年前からさまざまな研究者によって指摘されていたことですが、研究関係者や日本社会に衝撃を与えたのは英国の科学誌『Nature』の2017年3月号でした。

1/5ページ

最終更新:10/10(木) 8:00
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事